キリスト教マメ知識
ベネディクトの十字架とメダイ
今から約1500年前に活躍したこの聖人は、西方の修道生活の祖として非常に有名な聖人です。
イタリアのモンテ・カッシーノに、共住型の修道会を創設するとともに、「ベネディクトの会則」といわれる修道規則を定めました。
「ベネディクト」という言葉の意味は、「祝福の人」です。彼は、生涯、多くの人を祝福し、人びとの心から悪霊を追い払いました。
ベネディクトの描かれている絵には、よくブドウ酒の入ったグラスと会則を手に持っている姿で描かれています。
このブドウ酒には、次のようなエピソードがあります。
ある人がベネディクトを招いて食事するとき、ベネディクトのグラスに、毒の入ったブドウ酒を入れました。彼がその上に十字を切ると、そのグラスが真っ二つに割れ、ブドウ酒がこぼれ、ベネディクトには、何の害もありませんでした。
そのため、聖ベネディクトの祝福の言葉と、悪霊を追い出す言葉を刻んだ十字架やメダイを身につけることによって、神の祝福をいただき、悪霊を退けようと願うのです。
その言葉の意味は、以下のとおりです。
C.S.P.B.----聖ベネディクトの十字架
C.S.S.M.L.----聖なる十字架が、私にとって光となりますように
N.D.S.M.D.----竜が私の導き手となりませんように
V.R.S.----悪魔よ、退け
N.S.M.V.----決して、空しいことで誘惑するな
S.M.Q.L.----おまえが提案することは、悪である
I.V.B.----おまえ自身が、その毒を飲むように