キリスト教マメ知識
ファチマの聖母
天使の出現の場所
ファチマは、ポルトガルの山の中にある村です。
ここに聖母がご出現なさったのは、第一次世界大戦さなか1917年のことでした。
聖母のご出現を受けたのは、3人の牧童でした。
そのとき、一番年上が ルチアという10歳の女の子、次がルチアのいとこで9歳のフランシスコという男の子、そしてその妹で7歳のヤシンタでした。彼らは、祈ることは知っていましたが、まだだれも読み書きを知りませんでした。
1916年の春も終わりに近づいたころ、3人の子どもたちは羊を追っているとき、光の中から浮かび出た14、5歳の美しい若者と出会います。彼は、「平和の天使」と名乗り、子どもたちに自分とともに祈るように願い、子どもたちは自分たちの意志とは別の力によって、彼と同じように平伏して祈りました。
その2ヵ月後と、同じ年の9月の終わりか10月はじめに、天使は3人に出現しました。
天使は、子どもたちに 聖母マリアの未来のメッセンジャーたちのため熱心に祈ること、祈ることを知らない人々のために祈り、信仰も愛も持たない人々のために償いをすることを教えました。
1917年5月13日、いつものように羊たちと家を出て、コーワ・ダ・イリアの丘で遊んでいると、突然、非常に激しい閃光が光りました。雷だと思い、3人が家に帰ろうとすると、小さな柊(ひいらぎ)の木の上に、光そのもののように輝く貴婦人が立っていました。
まばゆく、目がくらみ、恐ろしさのあまり逃げだそうとすると、貴婦人は子どもたちにやさしく語りかけました。その衣は、真っ白な足までとどき、黄金で縁取られた純白のベール。両手を祈るように合わせ、右手にはロザリオがさがっていました。
貴婦人は、子どもたちに6ヵ月間続けて、毎月13日に、今日と同じ時間に、ここに来るようにと願われました。そして、世界の平和のために毎日熱心にロザリオを唱えるように勧めて、東の方に遠ざかり、太陽の光の中に消えていかれました。
6回目のご出現で、貴婦人は「ロザリオの元后」であることを名乗られ、ここに聖堂を建てて欲しいこと、毎日コンタツ(ロザリオ)を唱えることを続けるように願われ、もうすぐ戦争が終わり、兵士たちが家にまもなく帰ることを告げられました。
聖母は悲しい顔で言われました。人々が悔い改め、自分たちの罪のゆるしを願わなければいけない、「これ以上罪を犯さないように」と。
その後、集まった人々は、太陽が急激に動き回転しながら、四方に数々の色を放つのを見ました。そのとき3人の子どもたちは、太陽のそばに聖家族を見ていたのです。
ルチアとともに、聖母のご出現を受けたフランシスコと、ヤシンタの兄妹は、それからしばらくして、亡くなりました。
1948年、ルチアはカルメル会に入会しました。
聖母は、ファチマでも、ルルドと同じように、病人を癒されました。そしてこのご出現で、3人の子どもたちにいくつかの啓示を与えられました。それは、現代の人々のおごりに対する警告です。私たちは、聖母のメッセージを真剣に受け止めなければなりません。