キリスト教マメ知識
イザヤ書
イザヤ書は、66章からなり、詩編を除くと一番長いものです。イザヤ書を読んでいくと、40章からは雰囲気も歴史的な背景もことなっているのに気づきます。
そうなのです。預言書は歴史的背景から便宜上次のように分けられています。
(1)第1イザヤ(1~39章)
(2)第2イザヤ(40~55章)
(3)第3イザヤ(56~66章)
第1イザヤ (1~39章) |
第2イザヤ (40~55章) |
第3イザヤ (56~66章) |
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時代 | BC 740~690年ごろ | BC 539年前後 | BC 538~500年ごろ |
状況 | アッシリアによる危機。北王国の滅亡(BC 722頃)、南王国も脅かされている。 | ペルシャ王キュロスによるバビロンからの解放令(BC 539年)の直前(BC 540~548年) | エルサレム神殿の再建中、その後 |
場所 | エルサレム | 捕囚地バビロン | 捕囚後(帰国後)のエルサレム |
対象 | イスラエルの民 | 苦難と失意の中にあった捕囚の民と祖国の都エルサレム。 | 帰国後の生活に幻滅し、熱意を失い、再び不忠実になっている人々 |
分類 | 1部:1章 | 1部:40~48章 | 1部:56~59章 |
2部:2~12章 | 2部:49~55章 | 2部:60~66章 | |
3部:13~23章 | |||
4部:24~27章 | |||
5部:28~31章 | |||
6部:32~35章 | |||
7部:36~39章 | |||
テーマ | 1部:総論 | 1部:イスラエルの解放 | 1部:再勧告 |
2部:ユダとエルサレムのさばきと救い | 2部:主のしもべ | 2部:回復と救い | |
3部:諸外国の滅亡の託宣 | |||
4部:イザヤの黙示 | |||
5部:主を畏れ、主に頼れ | |||
6部:来るべき救い | |||
7部:イザヤとヒゼキヤ |
通常、私たちが「預言者イザヤ」と呼ぶときには、1章から39章までに登場する人物です。
第1イザヤから第3イザヤまで、時代も時代背景も違う預言集が一冊の「イザヤ書」としてまとめられています。それは、イザヤの弟子たちに イザヤの言葉と思想が受け継がれていったためです。