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ルルドの聖母

ルルドの聖母
photo by:Shoko Sirai

ルルドは、南フランス、ピレネー山麓の小さな村です。一方に岩山があり、その上には城がそびえたち、そこからこの村を見渡すことができます。

現在、ここには4つの教会と多くの病院が建ち、世界中から巡礼に訪れています。特に、病気の癒しを求める人々が熱心な祈りをささげます。またカトリック教会では、2月11日をルルドの聖母の日として祝います。

なぜ、人々がこの寒村を訪れるのでしょう。
 これは1858年2月11日、ベルナデッタ・スビルー(1844-1879)という14歳の貧しく無学に近い少女に、聖母マリアが現われたことにはじまります。


ベルナデッタは、薪を拾うために妹のトワネットと隣の石切り屋の娘ジャンヌと一緒に出かけました。他の少女たちは、水路を渡り向こう岸で薪拾いをはじめたのですが、喘息で体の弱いベルナデッタは、それが出来ず渡れるところを捜していました。どうしても捜し出すことができなかったため、岩壁の下にある小さな洞窟の前で靴を脱ぎはじめたとき彼女は、風の音のようなものを聞きました。

そして、ベルナデッタは小さな洞窟から光が輝射し、その中に真っ白な着物を着て、両手を開き、ほほえんでいる美しい女性を見ました。そのとき、ベルナデッタはポケットに手を入れるとロザリオに触れ、ひざまずき、この方の前でロザリオを唱えました。

 「15日間ここに来るように」とその女性から言われたベルナデッタは、洞窟に通い続けました。はじめは、ベルナデッタがおかしくなったと思い、冷笑してい人々も、しだいに彼女とともに、洞窟に通い、祈るようになっていきました。

2月25日のご出現のとき、その女性の言われるままに、ベルナデッタは洞窟を掘り、そこから湧き出た濁った水を飲みます。人々が後で、彼女が掘った穴を見つけ、同じように水を飲もうとすると、水は量を増して、こんこんと湧き出、次第に澄んでいきました。その日のうちに水をくみ持って帰った人がいました。彼は、片目を病んでいましたが、何日かたつとその目を覆っていた眼帯はとれました。

ベルナデッタが、その女性に「あなたはどなたですか。」と尋ねると「ケ・ソイ・エラ・インマクラダ・カウンセプシウ(私は、無原罪のおんやどりです)」とお答えになりました。

聖母は、ベルナデッタに18回現われ、そのメッセージは「罪を償うことと、ここで行列をし、聖堂を建てて欲しい」ということでした。


聖女ベルナデッタ
聖女ベルナデッタ

詳しい調査の結果、カトリック教会はルルドに聖母が現われたことを認めたました。

その後1866年にベルナデッタはヌヴェールの修道院に入り、2度とルルドを訪れることはありませんでした。
 ご出現から21年目の1858年、病弱な身をイエスに捧げながら35歳の生涯を閉じました。現在、彼女の遺体は腐敗せぬまま安置されています。1933年、ベルナデッタは聖人に加えられ、記念日は4月16日とされました。


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