キリスト教マメ知識
教皇の公文書およびメッセージ
教皇が公に出される文書には、「回勅」「使徒的勧告」「使徒的書簡」「自発教令」などの他に、「○○の日のメッセージ」があります。
各時代、教皇は当時の全世界の信者の指導者として、また、全世界の精神的リーダーとして、いろいろな機会にメッセージを発表してきました。
皆さんの中に、毎年「○○の日」に発表される「教皇メッセージ」をご覧になった方もいらっしゃると思います。毎年1月1日に出される「世界平和の日メッセージ」、広報の日に出される「世界広報の日メッセージ」などが有名です。
このような「○○の日」の教皇メッセージは、内容は重要なものですが、短いものがほとんどです。しかし、このようなメッセージとは別に、教皇が今、このテーマで全世界の人々に何かを伝えたいという時に、「教皇の公文書」と言われる文書を出しています。
このような教皇が出す文書には、その重要度によって格付けがあります。
回勅
教皇が教皇としての権威をもって、全世界の司教、信徒に宛てて出す文書で、教皇の出す公文書の中でいちばん重要な文書に位置づけられるものです。
教皇ベネディクト16世は、2005年12月25日に、最初の回勅『神の愛』を出しました。
使徒的勧告
第2バチカン公会議後、4年に1度開催されるシノドス(世界代表司教会議)で、世界中の司教の代表が討議し、出した結論を教皇に提出し、教皇がそれに手を加えて発表するものは、ほとんどこの使徒的勧告と呼ばれるもので、回勅の次に位置づけられるものです。
この中には4年に一度のシノドスの実である『信徒の使命と召命』『奉献生活』や大聖年準備特別シノドスの実である『アジアにおける教会』などがあります。
使徒的書簡
教皇が書簡の形で出すもので、使徒的勧告の次に位置づけられています。この中には『女性の尊厳と使命』『新千年期の初めに』『おとめマリアのロザリオ』などが挙げられます。
自発教令
教皇が自発的に出したいと思い、出すもの。
日本語に翻訳、出版されるもののほとんどは、上記の分類に入れられるものです。
この他、教皇庁の各省庁が出す文書もあります。