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聖人(Saint)

殉教または、敬虔な生涯を送ったために、崇敬を受ける人を聖人と言います。
 信徒は、教会が正式に列聖した聖人に神への取りなしを願ったり、彼らの信仰生活を模範にします。

聖人への崇敬や取りなしの祈りは、殉教者に対する崇敬がそのはじまりです。
 迫害時代、殉教者はすべて聖人とされ、天国に住むものと考えられていました。ですから、迫害時代、聖人は殉教者とほぼ同義語でした。

4世紀になって、キリスト教がローマ帝国の国教となって殉教がなくなると、自分の生きかたによって信仰を英雄的に証しした人を聖人として崇敬し、その取り成しを願う信心が出てきました。これがいわゆる証聖者です。

このように、聖人には、殉教者と証聖者がいます。

証聖者の場合は殉教と違い、客観的に聖徳を証明し、その信仰の正当性を確かめる必要があります。カルト的な人物や間違った教えで人を惑わす教説を説く人も、人びとの信心を集めることが多くあったからです。

聖人は典礼歴に載りミサや時課の祈り(聖務日課、「教会の祈り」)の中で祝われので、聖人に挙げられるための調査は、16世紀以来、列聖省ができる1969年まで、現在の典礼秘跡省が担当していました。

教皇ヨハネ・パウロ2世は、非常に多くの人たちを列聖、列福しました。それは、現代に生きる、信徒たちに聖人のいろいろな生き方を、指し示すことによって、キリスト者としての聖性の希望、励みを与えたいという望みからでした。


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