キリスト教マメ知識
割礼
古代のエジプト、アッシリア、バビロニアなどで広く成人式の儀礼として行われていたものです。
イスラエルの神の民が割礼を行うのは、旧約聖書の「創世記」17章9節から14節に記されているように、神がアブラハムと結ばれた契約のしるしとして、命じられたものです。
「あなたたちの男子はすべて、割礼を受ける。包皮の部分を切り取りなさい。これが、わたしとあなたたちとの間の契約のしるしとなる。いつの時代でも、・・・生まれてから8日目に割礼を受けなければならない」と書かれています。
割礼を受けることは、イスラエルの民であることの証拠とされました。しかし、時代がたち、割礼の本来の意味を忘れた人びとに、預言者たちは、「心に割礼を受けるように」とさとしました。
割礼は、命名の儀式とも結ばれるようになりました。ルカ福音書には、イエスが8日目に割礼を受けられたことが、簡単に記されています(ルカ2:21)。
初代教会において、キリスト者となるには、割礼を受けることが必要かどうかということが大問題となり、エルサレムで使徒会議が開かれました。そこで、決定されたことは、割礼は必要ではないということでした(使徒言行録15章)。
したがって、キリストを信じる人びとに割礼の儀式はありません。