キリスト教マメ知識
福音書記者ルカ
福音書記者ルカ
ルカは、「ルカ福音書」を著しただけではなく、「使徒言行録」も書きました。
4人の福音書記者の中では、ただ一人ギリシア人です。他の3人はユダヤ人で、そのうちの2人は、12使徒です。
ルカは、パウロと共に宣教旅行をしましたが、それ以前は、彼は医者として働いていました。
ルカの晩年については知られていませんが、高齢になって、ギリシアで神のもとに旅だったという伝承も残されています。
ルカを表すのに、翼のついた牛がシンボルとして描かれます。これは、ルカ福音書が、神殿でいけにえをささげる祭司ザカリアの話から始まっているからです。当時、いけにえには、牛や羊がささげられていましたから、代表的な牛を用いたのでしょう。
牛を表象として描く理由について、ルカ福音書は、イエス・キリストのご生涯の犠牲的側面を描いているからだという説をとなえる人がいます。
ルカ福音書の特徴の一つは、公生活以外の、イエスの私生活について書かれているということです。この点で、ルカを描いた絵画の中には、イエスを抱いた聖母の姿を描いているルカを描いたものがあります。
そのせいでしょうか、ルカを描いた絵には、牛、本や巻物、パレットが一緒に描かれています。
なお、ルカが聖母子を描いたものとして伝えられている有名な絵に「ホデゲトリア」があります。これは、ルカが聖母子を見て描き、これを「テオフィロ」に贈呈したイコンであるといわれています。
残念ながら、現在このイコンは戦争によって破壊されてしまいましたが、多くの描かれた複製によって知ることができるのです。