キリスト教マメ知識
ベール
なぜ、カトリック信者の女性がベールをかぶるのかということには、はっきりした根拠がわかっていません。
ただ、次のような説明をすることができます。
洗礼式のとき、司祭から洗礼を受けた後、「白い衣を受けなさい」と、女性にはベールがかぶせられ、男性には白い布が肩に掛けられます。
初代教会の時代には、洗礼式は、復活徹夜祭に行われていました。本当に、洗礼を受け、罪をゆるされ、神の子となったということを、目に見える形で示すものとして、「白衣(びゃくえ)」に着替えていました。
この白衣を1週間着て、復活節第2主日のミサ後、白衣を取ることになっていました(白衣の主日)。
これが、時代を経るにしたがって、今のようなベールと白い布になったのです。
また、女性は、髪の毛をきれいに飾り、華やかだったので、神のみ前に出るときは、みな心の姿勢だけではなく、頭につけた飾りもベールをかぶって慎み深くしたのです。
なお、ユダヤ教では結婚の準備期間から、ベールをかぶるという習慣がありました。その伝統から、ヨーロッパの国々では、結婚した女性はベールをかぶるというのが普通でした。
現在では、頭髪にそれほどはでな飾りをつけるということもなくなり、ベールをかぶる習慣も少なくなったように感じます。
しかし、地方や教会によっては、ベールをかぶらなければならない所もあります。
なお、ある地方では、ベールのことを、「覆い(おおい)」と呼んでいます。