キリスト教マメ知識
第二正典(続編)
第二正典である「続編」には、下記の書が入っています。
トビト記、ユディト記、エステルのギリシャ語で書かれている部分、
マカバイ記1・2、知恵の書、シラ書、バルク書、
エレミヤの手紙、ダニエル書補遺
これらは、紀元前3世紀以後、数世紀の間にユダヤ人によって書かれたもので、ヘブライ語の聖書の中には含まれませんが、初期キリスト教徒は、ギリシャ語を話すユダヤ教徒から「聖なる書」として受け継ぎ、カトリック教会は「第二正典」と認めたました。
ギリシャ語とラテン語で書かれた「エズラの預言」と「マナセの祈り」を、カトリック教会は正典と認めていません。
ルカ福音書の中の記述をみると、「律法、預言、詩編」と書かれていて、ルカ福音書が書かれたころは、「ケトゥビム(諸書)」がまだはっきり定まっていなかったことがわかります。ユダヤ教の正典は、1世紀ごろに定まったと見られています。
ユダヤ人たちは、正典を略して「タナク」と呼んでいます。
Tanak 最初の「T」はトーラー、「n」はネビィム、最後の「k」はケトゥビムをさします。
カトリック教会の正典には、第一正典と第二正典があります。
- 第一正典
- だれもが聖書と認めたもの
- 第二正典
- ある種の問題があって、後に正典として認められたもの
正典としての価値は同じである
プロテスタントの教会が聖書と認めているのは、カトリック教会の第一正典にあたる書です。カトリック教会では、第二正典も聖書と認めており、「続編」と呼んでいます。これらは「外典」とも呼ばれています。
『聖書 新共同訳』には、「旧約聖書続編つき」と書いてある聖書と書いてないものとがあります。カトリック教会では、「続編つき」の聖書を使います。