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シスター今道瑤子の聖書講座
マタイ福音書の1~2章
イエス・キリストの系図(1章1~17節)
アブラハムの子ダビデの子、イエス・キリストの系図。
アブラハムはイサクをもうけ、イサクはヤコブを、ヤコブはユダとその兄弟たちを、
ユダはタマルによってペレツとゼラを、ペレツはヘツロンを、ヘツロンはアラムを、
アラムはアミナダブを、アミナダブはナフションを、ナフションはサルモンを、
サルモンはラハブによってボアズを、ボアズはルツによってオベドを、オベドはエッサイを、
エッサイはダビデ王をもうけた。ダビデはウリヤの妻によってソロモンをもうけ、
ソロモンはレハブアムを、レハブアムはアビヤを、アビヤはアサを、
アサはヨシャファトを、ヨシャファトはヨラムを、ヨラムはウジヤを、
ウジヤはヨタムを、ヨタムはアハズを、アハズはヒゼキヤを、
ヒゼキヤはマナセを、マナセはアモスを、アモスはヨシヤを、
ヨシヤは、バビロンへ移住させられたころ、エコンヤとその兄弟たちをもうけた。
バビロンへ移住させられた後、エコンヤはシャルティエルをもうけ、シャルティエルはゼルバベルを、
ゼルバベルはアビウドを、アビウドはエリアキムを、エリアキムはアゾルを、
アゾルはサドクを、サドクはアキムを、アキムはエリウドを、
エリウドはエレアザルを、エレアザルはマタンを、マタンはヤコブを、
ヤコブはマリアの夫ヨセフをもうけた。このマリアからメシアと呼ばれるイエスがお生まれになった。
こうして、全部合わせると、アブラハムからダビデまで十四代、ダビデからバビロンへの移住まで十四代、バビロンへ移されてからキリストまでが十四代である。
イエス・キリストの誕生(1章18~25節)
イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった。
夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した。
このように考えていると、主の天使が夢に現れて言った。「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。
マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」
このすべてのことが起こったのは、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。
「見よ、おとめが身ごもって男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」この名は、「神は我々と共におられる」という意味である。
ヨセフは眠りから覚めると、主の天使が命じたとおり、妻を迎え入れ、 男の子が生まれるまでマリアと関係することはなかった。そして、その子をイエスと名付けた。
占星術の学者たちが訪れる(2章1~12節)
イエスは、ヘロデ王の時代にユダヤのベツレヘムでお生まれになった。そのとき、占星術の学者たちが東の方からエルサレムに来て、言った。
「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです。」
これを聞いて、ヘロデ王は不安を抱いた。エルサレムの人々も皆、同様であった。
王は民の祭司長たちや律法学者たちを皆集めて、メシアはどこに生まれることになっているのかと問いただした。
彼らは言った。「ユダヤのベツレヘムです。預言者がこう書いています。
『ユダの地、ベツレヘムよ、/お前はユダの指導者たちの中で/決していちばん小さいものではない。お前から指導者が現れ、/わたしの民イスラエルの牧者となるからである。』」
そこで、ヘロデは占星術の学者たちをひそかに呼び寄せ、星の現れた時期を確かめた。
そして、「行って、その子のことを詳しく調べ、見つかったら知らせてくれ。わたしも行って拝もう」と言ってベツレヘムへ送り出した。
彼らが王の言葉を聞いて出かけると、東方で見た星が先立って進み、ついに幼子のいる場所の上に止まった。
学者たちはその星を見て喜びにあふれた。
家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。
ところが、「ヘロデのところへ帰るな」と夢でお告げがあったので、別の道を通って自分たちの国へ帰って行った。
エジプトに避難する(2章13~15節)
占星術の学者たちが帰って行くと、主の天使が夢でヨセフに現れて言った。「起きて、子供とその母親を連れて、エジプトに逃げ、わたしが告げるまで、そこにとどまっていなさい。ヘロデが、この子を探し出して殺そうとしている。」
ヨセフは起きて、夜のうちに幼子とその母を連れてエジプトへ去り、
ヘロデが死ぬまでそこにいた。それは、「わたしは、エジプトからわたしの子を呼び出した」と、主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった。
ヘロデ、子供を皆殺しにする(2章16~18節)
さて、ヘロデは占星術の学者たちにだまされたと知って、大いに怒った。そして、人を送り、学者たちに確かめておいた時期に基づいて、ベツレヘムとその周辺一帯にいた二歳以下の男の子を、一人残らず殺させた。
こうして、預言者エレミヤを通して言われていたことが実現した。
「ラマで声が聞こえた。激しく嘆き悲しむ声だ。ラケルは子供たちのことで泣き、
慰めてもらおうともしない、
子供たちがもういないから。」
エジプトから帰国する(2章19~23節)
ヘロデが死ぬと、主の天使がエジプトにいるヨセフに夢で現れて、言った。
「起きて、子供とその母親を連れ、イスラエルの地に行きなさい。この子の命をねらっていた者どもは、死んでしまった。」
そこで、ヨセフは起きて、幼子とその母を連れて、イスラエルの地へ帰って来た。
しかし、アルケラオが父ヘロデの跡を継いでユダヤを支配していると聞き、そこに行くことを恐れた。ところが、夢でお告げがあったので、ガリラヤ地方に引きこもり、
ナザレという町に行って住んだ。「彼はナザレの人と呼ばれる」と、預言者たちを通して言われていたことが実現するためであった。