home>祈り>祈りのひととき>十字架の道行>十字架の道行(3) 聖地をたどりながら
祈りのひととき
十字架の道行(3) 聖地をたどりながら
聖書の受難物語を読み、その光景を描きながら、心から「悔い改めの祈り」を唱えましょう。そこには死を間近にされた十字架上のイエスと、神の子を見つめ、罪人である私たちを思い、人々のために祈る聖なる母マリアの姿があります。
十字架の道行きをとおして、イエスと、聖母マリアの苦しみにあずかりましょう。大切なことは、自分の存在をその中に入れ、積極的に参与していくことです。
† 各留をクリックして、お祈りください。
第一留 イエス、死刑の宣告を受ける
-
主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。何の罪とがもないイエスは、神の栄光と人びとの救いのために、ピラトの不正な死刑の宣告をお受けになります。
愛するイエス、あなたへの愛と自分の罪の償いとして、わたしの死を、これに伴うあらゆる悲しみ、苦しみ、悩みとともに受け入れます。
主よ、わたしの思いではなく、み旨が行われますように。
ピラトは言った、「それではキリストといわれるイエスは、どうしたらよいか」。
彼らはいっせいに「十字架につけよ」と言った。しかし、ピラトは言った、「あの人は、いったい、どんな悪事をしたのか」。
すると彼らはいっそう激しく叫んで、「十字架につけよ」と言った。
ピラトは手のつけようがなく、
かえって暴動になりそうなのを見て、
水を取り、群衆の前で手を洗って言った、
「この人の血について、わたしには責任がない。おまえたちが自分で始末をするがよい」。すると、民衆全体が答えて言った、
「その血の責任は、われわれとわれわれの子孫の上にかかってもよい」。
そこで、ピラトはバラバをゆるしてやり、
イエスをむち打ったのち、
十字架につけるために引きわたした。
マタイ 27章22-26節主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。
第二留 イエス、十字架を担わされる
-
主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。イエスは十字架を担われます。師イエスは、「わたしについて来たい者は自分を捨て、自分の十字架を背負って、わたしに従いなさい」と招いておられます。
師イエス、わたしは自分の情欲を制し、日々の十字架を背負ってあなたに従うことを望みます。
主よ、わたしをみもとに引き寄せてください。わたしの歩む道は狭くても、天国に通じるものです。わたしの導き手であり、慰め手であるあなたに寄りすがります。
イエスは、自ら十字架を背負い、
いわゆる「されこうべの場所」、
すなわちヘブライ語でゴルゴタという所へ向かわれた。
ヨハネ 19章17節主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。
第三留 イエス、十字架の下に初めて倒れる
-
主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。ゲッセマネの御苦しみに打ちひしがれ、むち打ちといばらの冠に傷つけられ、断食に力尽きたイエスは、重い十字架の下に初めてお倒れになります。
イエスは、罪に陥る人を支えるためにお倒れになります。
悪魔と世間の誘惑が多いからです。主よ、わたしたちを試みにあわせることなく、過去、現在、未来の悪から救ってください。
わたしは身を屈め、深くうなだれ
一日中、嘆きつつ歩きます。
愛する者も友も避けて立ち
わたしに近い者も、遠く離れて立ちます。
わたしは今や、倒れそうになっています。
詩編 38章7.12.18節主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。
第四留 イエス、悲しみの聖母に出会う
-
主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。十字架を担われたイエスは、悲しみの聖母にお会いになります。
イエスとマリアのみ心は、受難においても一致しておられます。これほどまでも人びとを愛し、人びとのためになにものも惜しまなかったお二人のみ心を仰ぎ見ます。
イエスとマリアのみ心よ、ますます深くあなたがたを知り、愛し、倣う恵みを与えてください。常にあなた方のものであるようわたしの心をささげます。
シメオンは彼らを祝福し、母親のマリアに言った。
「御覧なさい。
この子は、イスラエルの多くの人を倒したり立ち上がらせたりするためにと定められ、
また、反対を受けるしるしとして定められています。
―あなた自身も剣で心を刺し貫かれます―
多くの人の心にある思いがあらわにされるためです。」
ルカ 2章34-35節主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。
第五留 キレネ人シモンがイエスの十字架を強いて背負わされる
-
主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。人びとは同情をよそおい、通りがかったキレネのシモンに、イエスの十字架を強いて背負わせます。
わたしも、自分の苦しみをイエス・キリストの受難に合わせて、人びとの救いに協力しなければなりません。
師イエス、わたしを小さないけにえとして受け入れてください。
人びとを罪から救い、終わりのない幸福を待ち望む人びとを、あなたの国に迎え入れてください。そこへ、アレキサンデルとルポスとの父シモンというクレネ人が、
郊外からきて通りかかったので、
人々はイエスの十字架を無理に負わせた。
マルコ 15章21節
主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。
第六留 ヴェロニカ、イエスのみ顔を拭う
-
主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。ヴェロニカは、心うたれて、イエスのみ顔を拭い、イエスは、その布にみ顔を写して彼女に報いてくださいます。
わたしは、この敬けんな彼女に、主への侮辱を償う者の模範を認めます。主の尊厳を侮るわたしの罪とすべての人の罪を償わなければならないことを自覚しています。
主イエス、償いのわざを行うすべての人に、あなたの尊いみ心の徳をしるしてください。
「あなたがたを受け入れる人は、わたしを受け入れ、
わたしを受け入れる人は、わたしを遣わされた方を受け入れるのである。
預言者を預言者として受け入れる人は、預言者と同じ報いを受け、
正しい者を正しい者として受け入れる人は、正しい者と同じ報いを受ける。
はっきり言っておく。
わたしの弟子だという理由で、
この小さな者の一人に、冷たい水一杯でも飲ませてくれる人は、
必ずその報いを受ける。」
マタイ 10章40-42節主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。
第七留 イエス、再び十字架の下に倒れる
-
主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。「軽蔑され」、「人びとに見捨てられた」イエスは、力衰え、再び十字架の下にお倒れになります。
師イエス、あなたは、わたしたちが悪意によって、あるいは、自ら罪の危険を招くことによってしばしば犯す罪を、このようにして償ってくださいます。
主よ、あなたの主権に対する侮辱であり、御子の死の原因であるわたしの罪を憎み、再びこれを犯さないよう決心します。
彼が刺し貫かれたのは
わたしたちの背きのためであり
彼が打ち砕かれたのは
わたしたちの咎のためであった。
彼の受けた懲らしめによって
わたしたちに平和が与えられ
彼の受けた傷によって、わたしたちはいやされた。
イザヤ 53章5節主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。
第八留 イエス、嘆き悲しむ女性たちを慰める
-
主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。群衆と、イエスの身の上を嘆き悲しむ多くの婦人が、イエスのみあとに従っています。 イエスは、かれらに向かい、「エルサレムの娘たち、わたしのために泣くな。むしろ、自分と自分の子供たちのために泣け」と仰せになります。
わたしは、自分の罪と悪い模範、および義務の怠りによって他の人が犯した罪を悔やみ、深くへりくだります。
主イエス、わたしの行いと模範、言葉と祈りをもって、人びとの罪を力の限り防ぐ恵みを与えてください。
彼が刺し貫かれたのは
わたしたちの背きのためであり
彼が打ち砕かれたのは
わたしたちの咎のためであった。
彼の受けた懲らしめによって
わたしたちに平和が与えられ
彼の受けた傷によって、わたしたちはいやされた。
イザヤ 53章5節主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。
第九留 イエス、三度十字架の下に倒れる
-
主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。イエスは三度十字架の下にお倒れになります。わたしたちがかたくなさによって、罪を重ねるからです。
かたくなさは人の知恵をくらませ、心を閉ざし、罪を悔い改めずに死ぬ危険を招くものです。
主よ、自分を警戒し、意識の糾明を忠実に行い、ふさわしい心構えをもってしばしばゆるしの秘跡を受ける恵みを、わたしに与えてください。
大ぜいの民衆と、悲しみ嘆いてやまない女たちの群れとが、イエスに従って行った。
イエスは女たちの方に振りむいて言われた、
「エルサレムの娘たちよ、わたしのために泣くな。
むしろ、あなたがた自身のため、また自分の子供たちのために泣くがよい。
ルカ 23章27-28節主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。
第十留 イエス、衣服をはがされる
-
主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。
ゴルゴタにたどり着かれたイエスは、兵士から衣服をはがれ、胆汁と没薬の混ぜ物を飲むように強いられます。
わたしたちの虚栄と貪食の罪を、イエスはこのようにして償ってくださいます。
主よ、最高、永遠の幸福であるあなただけを求めるために、すべての野心と世俗的な満足から絶えず自分の心を引き離す恵みを与えてください。
聞いてください、わたしの呻きを。
慰めてくれる者はありません。
敵は皆、わたしの受けた災いを耳にして
あなたの仕打ちを喜んでいます。
彼らにも定めの日を来らせ
わたしのような目に遭わせてください。
敵の悪事が御前に届きますように。
あなたの懲らしめを受けますように。
あなたに背いたわたしが
こんなにも懲らしめられたように。
わたしはこうして呻き続け
心は病に侵されています。
哀歌 1章21-22節主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。
第十一留 イエス、十字架につけられる
-
主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。イエスは、悲しみに打ちひしがれた聖母の目の前で、言い表し得ない痛みのうちに、十字架に釘づけられます。
五感を慎み、情欲を十字架に付ける人は、イエス・キリストのものです。わたしは、今も臨終の時も、永遠に、イエス・キリストのものであることを望みます。
主イエス、わたしがあなたから離れることのないようにしてください。
イエスは、自ら十字架を背負い、
いわゆる「されこうべの場所」
すなわちヘブライ語でゴルゴタという所へ向かわれた。
そこで、彼らはイエスを十字架につけた。
また、イエスと一緒にほかの二人をも、
イエスを真ん中にして両側に、十字架につけた。
ピラトは罪状書きを書いて、十字架の上に掛けた。
それには、「ナザレのイエス、ユダヤ人の王」と書いてあった。
ヨハネ 19章17-19節主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。
第十二留 イエス、十字架上で息をひきとる
-
主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。イエスは三時間のこの上ない苦しみを忍ばれた後、わたしたちのために十字架の上で亡くなられます。
イエスの死は、聖体祭儀によって、毎日、祭壇上で再現されます。
愛するイエス、聖母が十字架のもとでもっておられた心構えで、わたしも聖体祭儀に参加することができるようにしてください。
時はもう昼の十二時ごろであったが、
太陽は光を失い、全地は暗くなって、
三時に及んだ。
そして聖所の幕がまん中から裂けた。
そのとき、イエスは声高く叫んで言われた、
「父よ、わたしの霊をみ手にゆだねます」。
こう言ってついに息を引きとられた。
ルカ 23章44-46節主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。
第十三留 イエス、十字架より下ろされる
-
主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。悲しみに沈む母マリアは、十字架より取り下ろされた御子を抱かれます。
マリアは、御子の傷を眺めながら、わたしたちの罪の恐ろしい仕わざと、人間に対するイエスの無限の愛を思いめぐらしておられます。マリアへの信心は、救いの一つのしるしです。
マリアよ、わたしを子として受け入れ、日々わたしとともにいてください。特に死を迎える時に、わたしを助けてください。
その後、イエスの弟子でありながら、
ユダヤ人たちを恐れて、そのことを隠していたアリマタヤ出身のヨセフが、
イエスの遺体を取り降ろしたいと、ピラトに願い出た。
ピラトが許したので、ヨセフは行って遺体を取り降ろした。
ヨハネ 19章38節
主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。
第十四留 イエス、埋葬される
-
主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。イエスのからだは香料を塗られ、墓に運ばれます。
イエスはご自分の受難を予告して、「今、わたしたちはエルサレムへ上っていく。人の子は裏切られ、死に引き渡される」と言われました。主イエス、あなたは墓に葬られるまでにご自分をささげ、へりくだるものとなられました。
主よ、あなたがご自分をいけにえとしてささげ、いのちをお与えになる人間は、何と尊いことでしょう。
救いのみわざに協力するようわたしが招かれる時、どこにでも従うことを望みます。偽証人は何人も現れたが、証拠は得られなかった。
最後に二人の者が来て、
「この男は、『神の神殿を打ち倒し、三日あれば建てることができる』
と言いました」と告げた。
マタイ 26章60-61節主よ、あわれんでください。わたしたちをあわれんでください。
ああ、聖母よ、十字架に釘づけられた御子の傷を、
わたしの心にしるしてください。
第十五留 イエスは復活される
-
主キリスト、あなたを礼拝し、賛美します。
あなたは尊い十字架とご死去をもって、世をあがなってくださいました。マリアは、イエスが「三日目に復活する」と仰せられたように、生きた信仰をもって、御子の復活を待っておられます。
神よ、わたしはイエス・キリストの復活を信じ、からだの復活をも信じます。
終わりの日に、栄光のうちにわたしも復活することができるよう、日々、新しいいのちによみがえることを望みます。
天使は婦人たちに言った。
「恐れることはない。
十字架につけられたイエスを捜しているのだろうが、
あの方は、ここにはおられない。
かねて言われていたとおり、復活なさったのだ。
さあ、遺体の置いてあった場所を見なさい。
それから、急いで行って弟子たちにこう告げなさい。
『あの方は死者の中から復活された。
そして、あなたがたより先にガリラヤに行かれる。
そこでお目にかかれる。』
確かに、あなたがたに伝えました。」
マタイ 28章5-7節救い主キリストよ、十字架の力によってわたしたちを救ってください。
ペトロを海で救われた主よ、わたしたちをあわれんでください。祈願:
神よ、
あなたは、御子イエス・キリストの十字架の死によって、
人類を救おうとお望みになりました。
地上においてあなたの愛の神秘を知ったわたしたちに、
天においても贖いの実りを味わわせてください。
わたしたちの主イエス・キリストによって。アーメン。教皇の意向に従って、「主の祈り」、「聖母マリアへの祈り」、「栄唱」を唱えます。