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祈りのひととき
富
深い淵の底から、主よ、あなたを呼びます。
お金をあげるだけで満足してしまうことがないように。お金だけでは充分ではありません。お金なら自分でかせぐこともできますから。貧しい人は、仕えてくれるわたしたちの手を、愛してくれるわたしたちの心を必要としているのです。キリストの教えは愛、その愛を広めること。
ある人たちが豊かに生活できるのは、それなりの理由があるはずです。そのために働いてきたに違いありません。ただ、わたしはものが浪費されるのを見ると怒りを感じるのです。わたしたちなら使えるものを人々が平気で捨てるときに。
問題なのは、富んでいる人や裕福な人が多くの場合、貧しい人のいることをまるで知らないことです。ですから、その人たちをゆるせるのです。知るようになれば喜んで愛するようになり、愛は奉仕を生むからです。貧しい人のために心が動かないのは、貧しい人を知らないからです。
わたしは、金持ちがお金で手に入れるものを、愛によって貧しい人に与えよう努めています。一千ポンドのお金のためなら、ハンセン病患者に手を触れることは決してしません。でも神への愛のためなら喜んで心からその人を看病します。
『マザー・テレサのことば』(女子パウロ会刊)より