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新世紀ルーツへの巡礼

目次

豊かな恵みの富

神のものと私たちのものとを識別する

木の芽

識別の中で私たちは、神の導きを見極め、その導きに従っていくにはどうしたらよいかを学んでいきます。

往々にして、識別を自分がどう行っているかをみていくことと思いがちですが、そうではなく、むしろ、神が私のなかでどう働いてくださっているかをみていくことです。ですから、識別はただ1度行えば良いということではなく、長い歩み、プロセスです。


この識別のために基本となるのは、自分自身がいつもいのちを選び取る習慣を持っていることです。私たちの心の奥深いところに働きかけてくださる神、いのちそのものである神の霊からの働きに、敏感になることです。敏感になるためには、修練が必要です。

ですから、神の呼びかけ(働き)と私たちの応えの双方向のダイナミズムが展開されるプロセスです。

私たちがいのちを選ぶための姿勢は、いろいろの姿があります。たとえば、肯定的な自己評価、バランスのとれた仕事、休むことを知り体力的、心理的、また精神的力を回復できる能力、対話やゆるしに開かれたこころをもっていること、さまざまな出来事からそれを越えたところを見ることができることなどがあげられます。

毎日生活をしていく中で、私たちは大小さまざまな決断をします。電車の中で目の前にいる人に席をゆずるというような決断もあれば、私のこれからの生き方というか、どういう人生を生きるかというような選びもあります。

大切な決断、難しい決断であれば、不安、混乱、自分を疑う気持ち、恐れなどがつきまといます。

Aを選ぶとこのようなプラス面、マイナス面がある。Aを選ばないとこのようなプラス面、マイナス面がある。両方を行き来しながら、なかなか結論を出せない、決まらないというような経験はありませんか。

別は、はっきりしていないことについて見極めるのですから、ある意味で当然かもしれません。

あるときはひとつの選びのために、崖っぷちに立たされたような感じを体験したことがあるかもしれません。


はっきりと納得のいく決断をしたい時には、論理的に物事を決めていくというより、「自分自身まるごと全体」のところでするべきものです。

そのために、なにが望ましいか、どの程度なのかなどをからだの内側にいれて、聴いていきます。からだにはいろいろの面での知恵がひそんでいて、教えてくれます。忙しい雑多の中ではなかなかこの知恵に聴きにくいものです。

自分のした決断が義にかなったものであると、からだ全体が平和で落ち着いています。それはしるしです。

自分のした決断が義にかなっていない時には、それもからだが教えてくれます。表面的には何か楽でいい気分、何か得をしたような思いでも、何か内面では、落ち着かない、すっきりしないなにかを感じさせてもらいます。これもしるしです。

からだからの贈り物であるしるし、「神のものと私たちのものとを識別する」ために、今、この時、この場所でからだが送ってくれるメッセージに注意を向けてみませんか。今、この時のこと、現在においてだけ、変化が起きます。からだからの贈り物は、いつでも、今この時の、この場所にあるのです。

→ しるしを見分ける

からだと信頼関係を結んで、からだから送られるメッセージに気づき、自分自身の中に与えられている豊かな知恵に耳を傾けてみましょう。

こうすることによって、内なる正しさの感覚にかなうように、生きていくことが出来ます。

この生き方は、たとえ難しい、苦しい、痛みを伴ったものでも、充実したものです。


自分自身の内側のよき聞き手になることは、識別の大切な要素です。

毎日、夜休む前の短い時間を、自分自身の中からのメッセージに耳を傾けるために時間をとりましょう。

1カ月たったときに、気づきが豊になっている、敏感になっていることを知るでしょう。

これこそ、いただいているいのち、人生を大切にしていくことです。
 からだの内側に注意を向けることにより、私たちの内にいただいている知恵に出会わせていただけるでしょう。

 からだの内側に注意を向けていくプロセス 
  1. からだの中に注意をむける
     今、感じているのは、気になっているのは何かな、またはこのことを思うとどんな感じになるかな、と問いかけてみる。
  2. 出てきたものをそのまま認める
     どんな感じでも、モヤモヤとすることでも、なにか、ということでも、そのままそこにあるのを認める。
  3. からだの感じであれ、イメージであれ、気分でも、生活との関連でも、それを表現してみる。
     それをからだに戻して、その表現でいいか、違うかを確かめてみる。
  4. それと共にいる。
     興味をもって、これは何だろうなと眺めてみる。
  5. からだが運んでくれたこと、今までのことすべてに「ありがとう」と感謝して終える。/li>

この後、このプロセスを振り返ってみるのもいいでしょう。

さて、どうでしたか。
 10分もあれば、十分です。
 この内なる関係を大事にしていくと、しるしを見極めるために非常に有益です。
 ためしてみてはどうでしょうか。


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