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新世紀ルーツへの巡礼
3-聖パウロ女子修道会
スーザでの火事
photo by:Shoko Sirai
スーザにきて、まだ1年にもなっていない時でした。1919年11月12日、恐ろしい火事が発生しました。
台所や食堂、縫い物の仕事場、製本所、勉強室などに兼用していた大部屋から漂う煙の臭いを感じたのは、朝4時でした。幸いにも、2階の大部屋と寝室は階段で隔てられていました。
火事を知って恐れた娘たちは、悲鳴をあげました。近所の人たちが助けにきて、まずバルコニーにはしごをかけてくれたのです。出口の鍵は燃えさかる部屋にあったので、階段をとおって避難することができなかったため、バルコニーを越えて庭に降りることができました。間もなく2台の消防車がきて、朝8時にすべて鎮火しました。
火は消えたのですが、あらゆる台所用品は全部あるいは一部が焼失してしまいました。どうしたらいいのでしょうか?
これを知った町では、すぐに、生活の安定している人々の多くが、私たちを助けるために駆けつけてくれました。必要なものがあったら貸してあげましょう、何が必要ですかと聞いてくださったり、一時的に場所を提供してくださったり、その親切に私たちは皆感激しました。ただ私たちは、これらの好意にたいして、どれを選べばいいのかが、悩みだったのです。
第1日目、私たちはモンシニョール・ゴルリエールのところに伺い、そして昼食と夕食はカノニコ・オリーバのところへ行き、引き続き15日間お世話になりました。
それから8日間、モンシニョール・ローザスが創立された第三会の修道女が私たちに宿を提供してくださり、さらに、委員会によってわざわざ手配された ― だれの指示なのか私は知らないのです ― 施設「慈善院」の1階に住めるようになるまで、2週間以上も台所と食堂がついている場所をあけてくださいました。
主はおそらく、スーザの人々に私たちの存在を知らせるために、この火事をお許しになったのだと思います。なぜなら、そのときまではまだこの家のことは、あまり人々に知られていなかったからです。