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新世紀ルーツへの巡礼
聖パウロの大聖堂
トビト記 11.7~15
トビアが父親に近づく前に、ラファエルは彼に言った。
「お父上の目はきっとまた見えるようになります。
魚の胆のうを目に塗ってあげなさい。
それが薬となって、白い膜は縮み、目からはがれてしまいます。
そしてお父上は視力が回復して再び光を見ることができるのです。」
ハンナは走って行って息子の首に抱きつき、
「息子よ、また会えてよかった。
もう思い残すことはありません」と言うと声をあげて泣いた。
トビトも立ち上がり、おぼつかない足取りで、中庭の戸口から外へ出て来た。
トビアは父のところに行き、
魚の胆のうを手に取り、父の目に息を吹きかけ、抱き締めて言った。
「お父さん、心配には及びません。」
そして胆のうを父の目に塗り、手当てをした。
更に両手を使って父の目の縁から白い膜をはがした。
トビトはトビアの首に抱きつき、
声をあげて泣いて言った。
「お前が見える。わたしの目の光であるわが子が見える。」
そして言葉を続けた。
「神をほめたたえます。その大いなる御名をほめたたえます。
神のすべての聖なる天使をほめたたえます。
神の大いなる御名によってわたしたちが守られますように。
すべての天使をとこしえにほめたたえます。
神はわたしを鞭打たれたが、
今は息子トビアをまた見ることができるようになったのですから。」
トビアも喜び、言葉の限り神を賛美しながら家に入り、父に報告した。
「わたしの旅は成功でした。お金も持って帰れましたし、
ラグエルの娘サラを妻としてめとることもできました。
間もなく、妻も到着します。ニネベの町の門のすぐ近くまで、来ているのです。」