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新世紀ルーツへの巡礼
聖パウロの大聖堂
聖パウロ修道会創立50周年によせて
修道会創立50周年を記念した年に、アルベリオーネ神父は次のような回状を会員に送っています。
どこの修道院においても1914年8月20日の修道会の創立記念日を、いろいろの儀式や展示会、祝別式などによって荘厳に記念しようとしていることを私は手紙で知り、大変喜んでいます。しかし、それら外的行為にもまして、神に対する感謝と賛美、およびパウロ的生活と使徒職に対するあらたな決心など、祈りによって着々と準備が進められていることを知るのは、さらに大きな喜びです。
パウロ家族をとても愛している一人の協力者は、聖パウロ会の紋章を各修道院に一つずつ寄贈することによって、この50周年に対する祝いを表明しようと望まれました。
この紋章は、パウロ的精神とパウロ的生活とを説明しています。50周年は、私たちに糾明を促し、信仰と熱意をもって新たに奮起するように私たちを促します。
この紋章は、ティモテオ・ジャッカルド神父によって考案されたものであり、その中には、修道生活のプログラムとパウロ家族の各修道会固有の使徒職をあらわすシンボルが取り入れられています。いま、ここでそれを説明しましょう。
聖体
一番上の方には、聖体が描かれ、そこから発する光と熱とが他のシンボル全体の上に注がれています。これは、いうまでもなく、道・真理・いのちである師イエス・キリストのかたどりであり、私たちを養い、喜ばせ、強め、聖化する日々の糧を意味します。
聖体から生まれた私たちはいつも聖体に生きねばなりません。
聖書
神的糧の次にくるのは、神的光、つまり聖書です。これは、人間の存在全体を照らします。神の真理をもって人の知恵を照らし、意志には天国への道を示し、心を神と隣人の愛へと向かわせることによってです。
神は、神感をうけた人をお使いになることによってこのお書きになった第一の著者です。神は、人間を御父のさいわいなる家に招き、そこに行くための道を示すための人類の偉大な発行者です。
パオリーノ(パウロの者という意味でパウロ会員をさす)にとって、この書は日々の霊的読書の本であり、出版し、普及すべき第一の書です。そこには、私たちの教えたいことの本質がことごとく含まれています。実にイエス・キリストは「私は世の光である」他のところでは「あなた方は世の光である」と仰せになりました。
ペン
ペンは社会的コミュニケーションの第一の手段であり、機械、紙、フィルム、ラジオ、テレビ、レコードなど他の一切の手段を象徴しています。
創立当初から聖パウロ会会員たちは、マスメディアが使徒職の手段であるということを深い確信とともに感じていましたが、今日では第2バチカン公会議の教令によって荘厳にそれが認められ、今や言葉をもって説教する義務と並んでこの使徒職はすべての信徒の義務となったのです。……
本に記された言葉
本に記入された言葉は、聖パウロのものです。“Ut innotescat per Ecclesiam multiformis sapientia Dei(いろいろの働きをする神の知恵は、今や教会によって、天上の支配や権威に知らされるようになったのです)”。……
聖パウロは、さらにつけ加えています。「すべて真実なこと、すべて正しいこと、すべて清いこと、すべて愛すべきこと、……を心に留めなさい」。
教会において私たちは常に弟子であると同時に師です。私があなた方に伝えたことは私自身先に主から学んだことです」という聖パウロの言葉を守ること、つまり神の弟子であると同時に、神のみ言葉を伝えるものでありなさいということです。
剣
剣には二重の意味があります。一つは、聖パウロの殉教を意味します。彼は、福音のために「より豊かに」働いたのち、ローマの郊外トゥレ・フォンターネで斬首され、剣によって最期を遂げました。
もう一つの意味は、「神のみ言葉は剣です」と聖パウロも言っているように、み言葉は人間を世の精神と悪の奴隷から解放し、こうして地上のなわめを解かれ自由になった人間は、イエス・キリストによってしめされた道をまい進します。その道とは、「私について来たい者は、自分を捨て……私に従いなさい」というあの道です。
悪に対して武装しなさいとの聖パウロの勧告を受け入れましょう。武器の中には「神の言葉である霊の剣」も含まれています。
ALBA
これにも二重の意味があります。まずパウロ家族の起源を思い起こさせます。聖パウロ会は、1914年8月20日に誕生しました。その日1時間の聖体礼拝の後、2人の志願者の立会いのもとに、最初の小さい修道院と貧弱な印刷所が祝別されました。……
もう一つの意味は、ALBAは、四福音史家のシンボルの頭文字です。
A=Angelo 天使(聖マタイ)
L=Leone 獅子 (聖マルコ)
B=Bue 牛(聖ルカ)
A=Aquila わし(聖ヨハネ)
アルバの司教座聖堂の正面には、これら福音史家のシンボルが刻まれています。
聖パウロ会の最も大切な任務は、福音書を出版し、これを普及することです。
"GLORIA DEO PAX HOMINIBUS(神に栄光、人々に平和)"
これは、修道会の存在目的です。
イエス・キリストがこの世においでになった時に、天使たちは馬小屋で「神に栄光、人々に平和」と歌いました。「神に栄光」は、キリストがこの世におうまれになった第1の目的であり、第2の目的は、「人々の救いと平和」です。聖パウロ家族の目的は、キリストと同じであって、他の目的は存在しません。
「キリストによって、キリストとともに、キリストにおいて」イエス・キリストによって生き、行うこと。聖パウロもこのようにし、「キリストが私の内に生きておられるのです」と言うことが出来たのです。
紋章の縁
これは、一つの飾りであることは、もちろんですが、それと同時にいろいろのシンボルを守り防ぐことを意味しています。しかもそれは一つのことを象徴しています。つまり、修道者は、修道精神をよく生き、特別の使命を果たさねばならないということを思い起こさせるのです。……
私は、この地上を去る時、神の栄光と人々の平和のために聖パウロ家族が神のご計画と愛に従い、いつまでも存続しうるよう祈るとともに、私の命を捧げます。……