第26回:政治共同体
<第8章 政治共同体 2 政治共同体の基盤と目的>
日々、政治関連のニュースが報道されています。その情報はあまりにも膨大で、処理できないまま流れ去っていきます。何が正しいのか、誰が信用できるのか、さっぱりわからないまま、それでも、期待を込めて一票を投じます。でも何も変わりません。政治には不満と不安をあおられるだけで、辟易してしまいます。これが、今のわたしたちの政治に対する一般的な思いなのではないでしょうか。
それでも、わたしは政治に関心を持ち続けたいと思います。というのは、わたしの労働の実りを巻き上げて行われているのが、政治だからです。そのお金を誰がどう使うのか、ちゃんと知りたいと思います。わたしの出し分はわずかですが、お任せするほど、わたしはお人よしではありません。
そもそも、政治はお任せするものではありません。政治は、共通善の実現のために互いに結ばれている住民、国民のためにあり、その政治共同体は、政党や役所のことではなく、わたしたちもその一員である住民や国民のことなのです。自由であり、主体的存在ある人間は、政治共同体を通して成長していきます。人間は他者に開かれているので、他者との関係においてのみ人間としての完成に達します。政治に関心を持つことは、他者を思うことでもあるのです。
- 第1回:人権(1)人権は、このわたしが保障するもの
- 第2回:人権(2)根源的な人権
- 第3回:人権(3)権利を尊重する義務
- 第4回:自由
- 第5回:みんなでしあわせになろう!
- 第6回:みんなでしあわせになるためのポイント
- 第7回:共通善の原理
- 新年号
- 第8回:財貨が万人のためにあるという原理
- 第9回:補完性の原理
- 第10回:連帯の原理
- 第11回:参加すること(1)
- 第12回:参加すること(2)
- 第13回:優先的選択
- 第14回:家庭の支援
- 第15回:子どもの人権
- 第16回:教育
- 第17回:労働(1)
- 第18回:労働(2)
- 第19回:労働(3)
- 第20回:労働(4)
- 第21回:経済(1)
- 第22回:経済(2)
- 第23回:経済(3)
- 第24回:経済(4)
- 第25回:経済(5)