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信仰の挑戦 … 女子パウロ会 各国創設記
第27回 パキスタンの創設 大使館からの電話
1964年11月28日、シスターイグナチアは、ムンバイ(インド)から次のような手紙を書きました。途中、カラチ(パキスタン)に寄港したとき、パキスタンへ派遣されるシスターたちのビザがないことを思い出しました。そこで、飛行場の前を散歩しながらシスターテクラ・メルロがなさったように、祈りを込めて聖水をまきました。
1965年6月29日、パキスタンの大使館から本部に電話がありました。「こちらはパキスタンの大使館です。カレンダーを見ると今日は、聖パウロ女子修道会の祝日だそうですね。イタリア全国は祝日のため、大使館事務所は閉まっていると聞きました。あなたたちの祝日をいっそう飾るお知らせがあります。あなたたちは、やっとパキスタンに入国できます。政府からの許可がおりました。パスポートをもってビザをもらいに大使館にいらしてください」。
1965年8月15日、最初のシスターがカラチに着きました。大司教、宣教師、他の修道会のシスターから温かい歓迎を受けました。集まった人々は、「やっとわたしたちの祈りがかなった!」と言いました。実は、大司教が、聖パウロ女子修道会のシスターたちのビザがおりるよう、彼らにお祈りを依頼していたのでした。
しばらくの間は、ベルギーの聖十字架女子修道会の寛大な心遣いで、クリニックの上の階に住むことができました。
シスターテクラ・メルロの、母性的で慎重で、注意深いまなざしのおかげで、女子パウロ会は全世界に広がっていきました。彼女の手紙からは、すべての人に到達したいという大きな望み、各国の女子パウロ会の創立の歩みに対する彼女の気がかりをうかがうことができます。
シスターテクラ・メルロは、その単純さと信仰で、シスターたちの使徒的生活を導いていきました。すなわち、必要なことは、神がすべて用意してくださるという確認、各共同体での生き生きしたアニメーション、わたしたちの力以上に働くことを強要しない謙遜さ、各地域における働きとシスターの人数のバランス、相互の協力、強い連帯性、使命に自分自身をよりよくささげることができるように、一人ひとりの会員に対する配慮などを示しました。