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パウロ年 一口メモ
パウロの持っていたローマ市民権
パウロは、「生まれながらにローマ市民権を持っている」、と2度、使徒言行録の中で言っています。
1度は、使徒言行録16章37節です。パウロの第2回目の宣教旅行のとき、フィリッピで、占いの霊に取り憑かれ、それによって主人に利益をもたらしていた女奴隷から、霊を去らせたため、その主人から訴えられ、パウロとシラスが逮捕された時のことです。
2度目は、使徒言行録22章25節です。エルサレムで逮捕され、鞭打たれようとしたとき、百人隊長に対して言っています。その際、千人隊長が、「私は多額の金を払って、ローマ市民権を得た」と言うのに対し、パウロは、「私は生まれながらの市民です」と答えています。
「生まれながらに」と言うのですから、パウロのお父さんもローマ市民権を持つ人だったということがわかります。こういう家族は、父親がローマ市民権を持っていることを、役人の前で宣言するだけでよかったと言われていますから、パウロのお父さんも、パウロが生まれた時、ローマ市民権を持っていることを宣言し、書類を書いて貰ったことでしょう。
どうして、パウロのようなユダヤ人の家族が、ローマ市民権を得たのかはわかりません。しかし、ローマに対して何かの大きな貢献をした場合、その町全体に住む人々にローマ市民権が与えられるケースもあったそうですから、ひょっとしてパウロの家族もそうして得た市民権だったのかもしれません。