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シスターテクラ・メルロ
第11回 (最終回) いのちの供え物
最後にあたって、問うてみたいと思います。シスターテクラ・メルロの聖性の秘訣は何であったのでしょうか? と。きっと、だれでも次のように答えられるに違いありません。
(1)神との絶え間ない一致
彼女はただ祈っていただけではありません、生活全体を神の聖なるご意志への愛の行為とし、すべてをみ旨に委ねていました。ですから彼女は、順境のときも逆境のときもつねに穏やかで平静であったのです。
(2)深い信仰、謙遜、働くときの誠実さ
過失を犯したことに気がつけばゆるしを願い、償いに努めていました。同様に、人の過ちを許し、侮辱を受けたり理解されなかったりしたときもそれにこだわりませんでした。「他人の批判に縛られず自由になりましょう。隠れたところをご覧になる御父のために働きましょう」と、ある一人の修道女に言っています。これは、疑いもなく彼女の全生涯を貫いた不変の法則であったのです。
(3)神と兄弟・姉妹に対する燃えるような行動的愛
(4)創立者の方針
そこに神のみ旨を読んでいました、それに対する敬虔で知的な従順は、彼女に大きな事業を遂行させ、気づかないうちに彼女の存在全体につねに変わらぬ穏やかさを注いでいました。
創立者ヤコブ・アルベリオーネ神父と
語り合うシスターテクラ・メルロ
今日なお彼女と共に過ごした姉妹たちは、彼女が好んで遊び、冗談を言い、笑い話などを聞かせてくれた夜毎の楽しいリクレーションを、どんなに懐かしく感じていることでしょうか! 彼女のあの見透すような目、母の愛情と甘い頑固さをもって一人一人を見つめる考え深い目を、どんなに懐かしく感じていることでしょう! 娘たちは、母が今なおも一人ひとりを見守っていることを固く確信しており、彼女が特徴ある声で「賢くなりましょう! 私たちを待っている美しい天国を眺めましょう! 聖母マリアにすべてを委ねましょう!」と繰り返すのを聞いていることでしょう。
聖パウロの娘たちは、創立者の次のことばを忘れることができません。 「あなたたちは、プリマ・マエストラの中にいつも謙遜と信仰の鑑(かがみ)や模範を持っています。そのように生きなさい! プリマ・マエストラはあなたたちに道を用意してくださいました。そのように歩みなさい!」