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聖公会—ローマ・カトリック合同礼拝

2008/02/04

2月1日(金)の夜6:30から、東京・目白の東京カテドラル聖マリア大聖堂で、聖公会とカトリック教会の合同礼拝が行われました。

第2バチカン公開が終わった後の1966年、カンタベリー大司教がバチカンのパウロ6世教皇を公式訪問され、エキュメニカル対話の一つとして「聖公会-ローマ・カトリック教会国際委員会(ARCIC)が発足しました。日本では、1972年に「聖公会—ローマ・カトリック合同委員会」が発足し、昨年11月までに79回の会合を重ねてきました。これまでも国際委員会から出された声明を翻訳してきましたが、刊行するのは『マリア—キリストにおける恵みと希望』が初めてです。

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受付 書籍販売   
受付 書籍販売

この本は、2004年2月2日の「主の奉献」の祝日に国際委員会から合意声明が出され、昨年12月に日本語訳が刊行されました。この出版を記念して、また、両教会の対話が始まってから40周年を祝って、この日、合同礼拝「ともに捧げる祈りの集い」が行われたのです。

カテドラル聖マリア大聖堂には、聖公会とカトリック教会の信徒、司祭、修道者がぞくぞくと集まり、大きな聖堂の座席はいっぱいになり、補助イスが出されるほどでした。

礼拝は、聖公会とカトリック教会の司祭、助祭、主教(聖公会)、司教(カトリック教会)の入堂から始まりました。十字架を掲げ、その後を並んで進む両教会の司祭たちの後ろ姿を見ていたら、感動するものがありました。初めて見る聖公会の主教たちの真っ赤な後ろ姿はとてもきれいでした。

入堂 入堂   
入堂 入堂
植松主教と岡田大司教
左から岡田大司教、植松主教、補式者の加藤主教
祭壇 祭壇   
右端は司会の宮越氏

会衆席から祭壇に向かって右手に聖公会の主教・司祭たちが、左手にはカトリック教会の司教・司祭たちが並びました。そして中央には、日本聖公会首座主教(北海道教区主教)の植松誠主教と日本カトリック司教協議会会長(東京大司教区大司教)の岡田武夫大司教が並びました。補式者は聖公会エキュエニズム委員会担当主教の加藤博道主教が、式典の司会はカトリックの典礼委員会秘書の宮越俊光氏が、4つの朗読と4つの共同祈願も交互に両方から出、聖歌も聖公会とカトリックの歌から歌い、聖歌隊も宮崎カリタス修道女会のシスターたちと聖公会の聖歌隊が一緒に、またはそれぞれが……というように、聖公会とカトリックがバランスよくなされていました。

朗読 聖堂内   
朗読する聖公会のケビン・シーバー司祭
聖歌隊 聖歌隊   
聖歌隊:日本聖公会東京教区聖歌隊 聖歌隊:宮崎カリタス修道女会
スモールクワイア

説教は、上智大学名誉教授でイエズス会司祭の高柳俊一師で、合同委員会の歩みと今回記念した『マリア-キリストにおける恵みと希望』について話してくださいました。

合同委員会の働きをとおして、互いの違いと伝統をより理解するようになり、互いを学ぶことによって、自分たちを再発見し再受容する働きとなったということです。今回、合同で初めて出版できたことは、日本のエキュメニカルな運動に大きな影響を与えるだろうということです。

高柳師のイエスの誕生をもたらしてくれた聖母マリアについてのお話の後、救いの歴史にかかわられた聖母マリアについて黙想しました。

高柳師 共同祈願   
高柳師 共同祈願

共同祈願の後、ともに主の祈りを歌いました。その後、カンタベリー大主教からのメッセージによる祝辞と駐日教皇大使アルベルト・ボッターリ・デ・カステッロ大司教の祝辞をいただき、荘厳な祝福をいただいて、ともに祈る集いは終わりました。

ボッターリ大司教 退堂   
祝辞を述べるボッターリ大司教 退堂

聖公会の方々と一緒に祈るのは初めての体験でしたが、カトリックに一番近いのが聖公会です。今回の礼拝は、とてもよく準備されていて、同じ空気を共有できたことを感じました。宗教が分裂の原因になるのではなく、同じ信仰を持つ者同士として、理解し合い、受け入れ合い、祈り合って、近いものとなれたらいいなと思います。

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