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どうしてシスターに?

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シスター マリア・マグダレナ 佐藤妙子

あの茶髪の娘がシスターに?

シスター佐藤


「エッ!! あの佐藤さんが、ついにシスターに。これは神のわざ! おめでとうございます!」初誓願のときに友人からきた祝電です。
 “あの佐藤さんが……”と言われるほど、修道院に入る前のわたしを知る人たちは、わたしがシスターになるなんて思いもしなかったでしょう。当時はまだめずらしかった茶髪(チャパツ)と目立つファッションで、ダンス、スキー、ボーリング、水泳、サッカーのマネージャーなど仕事や遊びに熱中していたわたしでした。

ところがある日、人間存在の不確かさとお金など、すべてが空しく感じる出来事がありました。そのときから、「わたしはいったい何者なのか?」「永遠に価値あるものは何か?」という模索の旅が始まりました。この旅の途上で出会ったのが、イエス・キリストです。しばらくして神父さまの紹介で、山口の聖パウロ書院に勤めるようになり、そこで初めて女子パウロ会のシスターに出会いました。シスターたちの間では、「今度山口の書院で働いているお嬢さんは、仕事はきちんとしているけど、何と派手な格好で……」と話の種になっていたようです。シスターたちは、たいてい若い信者の女性には目を光らせて召命黙想会などに誘いますが、わたしはまったく声をかけられませんでした。「まさかこのお嬢さんには、修道召命はないでしょう……」と始めから眼中になかったようです。

でも、教会の青年会やCLCの活動に積極的に参加していたわたしは、外見とは裏腹に、まじめに自分の道を探していたのです。結婚なのか、他に道があるのか、神は何をお望みなのかを知るために8日間の選定の黙想をしました。この黙想のなかで、「わたしに従いなさい。」というイエスの招きをはっきりと感じ、女子パウロ会に入る決意をしました。この選びに一番驚いたのがシスターたちでした。「エッ! あのお嬢さんが?」

修道院に入りたいとの望みを「妙子が自分で選んだ道を、最後まで歩み通す覚悟があれば……」と言って許してくれた祖母や両親は、いま天国でわたしの歩みを見守ってくれています。これまでの歩みを振り返って見るとき、わたしが弱いときにこそ、神が力強く働いてくださっているのを感じます。そして、今もなお「エッ! このわたしが……。これは神のわざ。人の目には不思議に見える」と思えることが続いている日々です。


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