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どうしてシスターに?

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シスター ジャンマリア 須賀道子

修道生活への道を切り開いてくれた姉

シスター須賀


わたしは19歳のとき、聖パウロ女子修道会での黙想会に初めて参加した。大変心を惹かれたので、「わたしはこの修道会に入りたい」と姉にその望みを打ち明けた。ところが驚いたことに、姉は「実は自分も他の修道会に入りたいと考えている」とわたしに打ち明けたのである。

そして姉は修道院に行く準備を始めていた。しかし、この望みを打ち明けると、両親は驚いて猛反対であった。苦しい姉の胸のうちを知った教会のある先生が相談にのってくださったので、姉は両親を伴って何度かその先生のお宅へうかがった。先生は両親に言われた。「娘さんを修道院に行かせず結婚させたとしても、不幸になったときに責任をとれますか」と。そして長兄が「兄弟が多いのだから、一人ぐらい別な道を歩んでもいいじゃないか」と後押しした。両親はしぶしぶ姉を修道院へ送りだしてくれたのである。そして姉の誓願式にはわたしが両親を説得して修道院へ連れていった。その式に与ったとき、両親は初めて姉の望みを理解して、それ以来、態度が変わったのである。

その数年後、今度はわたしが聖パウロ女子修道会に入会したいと打ち明けたとき、もはや両親はなんの反対もしなかった。実際、周囲は仏教の強いところであったから、「娘が修道院に入るなどとんでもない」と親戚から責められて、両親はずいぶん辛い思いを味わったにちがいない。それでも自分へは何も言わず、むしろ入会を支えてくれた。

こうしてわたしの召命は、困難にもめげず粘り強く修道生活への望みを貫いた姉が、その道を切り開いてくれたようなものである。ふたりの娘を神様にささげた両親の苦しみや、たくさんの方々に支えられて今があるのだと感謝している。


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