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どうしてシスターに?
シスター アナスタジア 柳沢チエ
招きに応えながら
「人の一生は一度限り」ということを意識しはじめ、「じゃあ、悔いのない人生を行きたい」との想いが、当時中学生だったわたしの生き甲斐探しとなり、「これぞ我が道」の発見までには7、8年も経ったのでしょうか……。
修道生活を、わたしの道と決意するまでのプロセスには、種々の物事を通して神様からの呼びかけや支えがあったように思います。
趣味で属していた混声合唱団でクラシック曲を歌う時のあの感動は、どうも神様らしきものを探し始めたわたしへのバイブレーションだったのでしょう。
ある日、その合唱団の指揮者がカトリック信者の女性と結婚するということで、結婚式で歌う聖歌の練習のために全員が教会に行き、主任司祭の指導を受けたことがきっかけで、キリスト教の勉強会に参加し、1年後のクリスマスイブに洗礼を受けました。これを知った両親は「結婚に差し支える!」と大反対。「クリスチャンなので結婚しない、などという人なんかこちらがお断り」と、わたし。実は、それ以前からわたしは結婚について否定的ということではなく、何か別の生き方に、よりひかれていたのです。
「日本女子修道会案内」という小冊子を丹念に調べていました。当時すでに日本にも80種以上の女子修道会があり、それぞれの会の目的、精神、沿革、入会資格や条件etc.が記されていました。わたしは自分の気に入った会に○印をつけながら一通り読み終り、代母に相談したところ、彼女の推薦とわたしの選びが一致しているのを知りました。
しかし、兄から「親の反対を押し切って行くなんて親不幸だ」と言われたのはショックでしたが、教会へ行くと、わたしの心の外側はざわめいていても、心の真中には平和に満たされて、「決心したように進みなさい」という促しに強められたものでした。それで、もし神様がわたしを呼んでくださっているのなら、きっと両親や兄弟の思いを和らげてくださるにちがいないと、わたしなりに真剣に祈り続けていました。
その頃、またシスターたちがわたしの住んでいた町の宣教に来られ、わたしの家にも来て下さり、母に修道生活についていろいろ話をしてくださったので、母は大分安心したようです。
あれからすでに40年余り、招いてくださった神様に忠実に答え続けたいと、今も感謝しつつ、修道姉妹と共に学び、励んでいます。