私の薦めるこの一冊
地雷原のポン
- 著者:山本けんぞう
- 絵:デュフォ恭子
- 定価:本体1,400円+税
- 四六判 上製 270ページ
- ISBN:978-4-06-217291-2
- 発行:講談社
本書は、戦争の後、敵、味方の両方がたくさん埋めた危険きわまりない地雷原に生きている人びとをテーマに描かれた児童小説です。
著者は現在、カンボジアの地雷原でコットンの有機栽培をし、地雷被害者の生活支援活動をしている人です。
本書の画家も、『地雷と難民』などの本を著している人です。
お父さんとお母さんを殺され、1人になったポンという名前の男の子を主人公に、地雷原の恐ろしさ、そこで生活している人びとの姿、権力者の矛盾などを描いています。
児童小説という形で書かれていますが、その現実には、心打たれるものがあります。それは著者が、実際、そこの人びとと供に住み、心を通わせて生きておられるからでしょう。
小学校3、4年生から自分1人で読める本です。
ひとりぽっちで生きているポン、妖精シェル、少女パコなど、いろいろな子どもたちが出てきます。
生きる勇気、強さ、自分らしく生きるとはどういうことかが、きっと子どもたちの心をとらえることでしょう。