home>キリスト教入門>カテキズムを読もう>第1編 信仰宣言>第2部>第46回 教会は使徒継承である

カテキズムを読もう

バックナンバー

第46回 教会は使徒継承である


カトリック教会の特徴の一つである「普遍である教会」について前回から考えていますが、この教会が普遍であるということと、切っても切り離せないこととしてあるのが「宣教」ということです。今回は、ここからはじめましょう。


■宣教は教会の普遍性からの要求である

宣教命令

教会が宣教を使命とするのは、教会の創立者であるキリストによって、はっきりと命令を受けているからです。キリストは、復活された後、使徒たちや多くの人々に姿を現されました。そして、ご昇天なさる直前、愛する弟子たちに遺言を残すかのように、イエス・キリストは、次のように命令されました。

「あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らを父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたとともにいる」(マタイ28.19~20)。


宣教の起源と目的

キリストが使徒たちに宣教命令を出されたのは、愛からわき出たものでした。それは、三位一体が愛だからです。教会が宣教する目的は、この三位一体の内にある父と子と聖霊の愛も交わりに、私たち人間をあずからせるためなのです。


宣教の動機

宣教の動機は、すべての人を愛してやまない神の愛です。この人々へのやむにやまれぬ神の愛を感じている教会は、ここから宣教への原動力をくみ取り、イエス・キリストの時代から現在に至るまで、どんな時代であったとしても、宣教の務めに励んできました。救いの真理を委ねられている教会は、その真理を人々に伝えていくのです。


宣教の道

教会の宣教の道は、イエス・キリストの宣教を継続していくことです。ですから、キリストの宣教の姿勢、その愛、奉仕、貧しさ、従順の道、まったき自己奉献の道を、教会もまたたどるのです。

 カトリック教会が宣教することは、キリスト者の一致を促すものです。カトリック教会がその普遍性を輝かせば輝かすほど、キリストを信じる人々に、その普遍性のもつすばらしさを伝えることができるからです。また宣教の働きには、まだ福音を受け入れていない人々との尊敬をこめた対話も含まれています。


4 教会は使徒継承である

教会が使徒継承ということは、使徒たちの上に建てられているということですが、これには3つの意味があります。

 -教会は、キリストご自身によって選ばれ、宣教に派遣された証人である「使徒という土台の
   上に」建てられているということを意味しています。
 -教会は、聖霊の恵みによって、使徒たちから伝えられた教え、言葉を守り、伝えているとい
   うことを意味しています。
 -教会は、キリストが再臨される時まで、使徒たちの任務を受け継いでいる人々、つまり、ペ
   トロの後継者である教皇と司教団の働きを通して、教え、聖化し、導いているということ
   を意味しています。


使徒たちの派遣

イエス・キリストは、御父から派遣された方です。イエスは、弟子たちの中から12人を選ばれ、使徒に任命されました。それは、ご自分の側におくためであり、派遣して宣教に遣わすためでした。使徒たちは、「イエスから遣わされた者」という意味で「アポストロ=使徒」と呼ばれました。彼らは、イエスが果たされた御父から受けた使命を、共に果たすものとなったのです。

キリストから使徒たちに委ねられている使命は、世の終わりまで続くものです。それは、福音があらゆる時代を通じて全生活の源泉だからです。このために、使徒たちは後継者を決めるように心を配りました。


司教は使徒の後継者である

ペトロは使徒たちの頭として、イエスから選ばれましたが、その職務は継承されるのです。使徒たちは、自分の死後もイエスから委ねられた使命が継続できるように、後継者を任命し、神の教会を司牧するように命じました。この人々が司教です。司教たちは、教会の牧者として、使徒の位置を継承した人々なのです。


使徒的使命

教会が使徒的使命をもっているということは、次のようなことを意味します。

 -教会は、使徒たちの後継者を通して、使徒たちの信仰と生活がその起源にまでつながっ
   ているという意味において。
 -教会全体が、全世界へ「遣わされている」という意味において。

私たち教会に属するすべてのメンバーは、それぞれが異なった方法で、この使命に参与しています。時代の要請、聖霊の多様なたまものに応じて、この使徒的活動は非常に多様なかたちをとるのです。この使徒的活動の魂は、エウカリスティアからいただく愛です。

カトリック教会の特徴である一、聖、普遍、使徒継承が、最後に見事に要約されています。これも、ぜひ、ご覧ください。

前へ 

▲ページのトップへ