home>キリスト教入門>カテキズムを読もう>第1編 信仰宣言>第2部>第47回 教会の位階制度

カテキズムを読もう

バックナンバー

第47回 教会の位階制度


第4節 キリスト信者----聖職位階制度、信徒、奉献生活


キリスト信者とは、イエスを救い主と信じて洗礼を受け、キリストに結ばれ、神の民の一員となった人々です。すべての信者は、キリストの祭司的、預言者的、王的任務を果たすように招かれています。すべてのキリスト信者は平等ですが、キリストが弟子たちの中から、特に使徒を選ばれたように、神の民の中には種々の役職があります。


1 教会の位階制度

教会における奉仕職の根拠

教会における奉仕職の根拠は、キリストご自身です。キリストが奉仕職を定められたのです。信仰は聞くことに始まります。主イエス・キリストから派遣された人が、共同体に、キリストの権威によって語り、行動するのです。

キリストの共同体には、キリストから受け継いだ権威と資格を受けた奉仕者がいます。頭であるキリストの代理者として奉仕する司教と司祭です。

助祭は、司教と司祭団と一致して、典礼とことばと愛の「助祭職」を果たすことにより、奉仕するのです。

教会の奉仕の務めは、固有な秘跡によって授けられます。

教会の役務は、秘跡的本性と密接に結ばれています。それは、「仕えるという特質」「団体的性格」「一人ひとりの人間に委ねられている」ところに現れています。

教会の役務の特質は、「仕える」ということです。それは、私たちのために「しもべの姿」をとられたキリストの姿に倣うものだからです。同時に、教会の役務には団体性という性格があります。これは、キリストが12使徒と呼ばれている12人を共に選ばれ、共に派遣されたからです。これは、聖なる位階制度の始まりでした。奉仕者は、共同で行動しながらも、また、一人ひとりの人間として行動しています。それは、教会の役務が一人ひとりに委ねられているからです。


司教団と、その頭である教皇

キリストは、12人の使徒を選ばれた時、「団体」として選ばれました。その12人の頭として、ペトロを任命されました。マタイ福音書16.18~19とヨハネ福音書21.15~17を読んでみましょう。ペトロが、神の民の頭として鍵をイエスから渡されたことがよくわかります。しかし、このペトロに与えられた解く任務と結ぶ任務は、頭と一致する使徒たちの団体にも与えられました。これは、教皇を頭とする司教たちによって継承されています。

教皇は、ローマの司教であったペトロの後継者です。現在の教皇は、ペトロから数えて265代のベネディクト16世です。教皇の紋章には、2本の交差させた鍵が描かれているのは、ペトロに委ねられた「鍵」を表しています。教皇は、全世界の司教たちと信者との一致の目に見える「しるし」となっています。

司教たちの団体は「司教団」と呼ばれます。司教団は、頭である教皇とのつながりがなければ、司教としての権威をもつことはありません。各司教は、自分に委ねられている司教区における、目に見える一致の根拠であり基礎です。自分の教区において司教は、司牧統治権を行使します。

司教団の一員としての司教は、全教会に対して配慮しなければなりません。この配慮をまず、自分の司教区をよく治めることによって果たしています。司教の配慮は、貧しい人々、迫害下にある人々、全世界で働く宣教者に向けられるべきものです。

隣接していたり、同じ文化圏に属している司教区は、教会管区や、総体司教区、また教会地方区と呼ばれる広範な地域を形成しています。これらの地域の司教たちが集まって、代表者会議を開いたり、管区・地方区会議を開くことができます。

前へ 

▲ページのトップへ