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第48回 位階制度の任務


今回は、教会の位階制度がもつ重要な任務を見てみましょう。


教える任務

まず第一に挙げられるのは、「教える任務」です。司教たちは、司祭と協力し、神の福音をすべての人に告げ知らせる務めを負っています。司教は、使徒たちから正しく伝えられた信仰の保持者であり、キリストの権威をもって、人々をその信仰を教え、導く任務があります。特にこの任務を、教導職と呼んでいます。教導職の使命を持つ司教たちには、特別な恵み・カリスマが与えられています。それは、神の民である私たちに、信仰を伝え、導く時、信仰と道徳をあやまることなく教えるという恵み・カリスマです。

このカリスマは、以下のような時に働いています。

   1. 教皇が、最高の牧者、また師として、信仰と道徳に関する教義を宣言するとき
   2. 公会議において
   3. ある事柄を「信ずべき神の啓示として」、また「キリストの教えによって宣言」するとき。


聖化する任務

司教は、教える任務をもっているだけではなく、聖化する任務ももっています。この任務を、特に、感謝の祭儀(ミサ)において果たしています。自らささげるミサによって、また、司祭たちによってささげられるエウカリスティア(感謝の祭儀=ミサ)によって果たすのです。それだけではなく、司教と司祭は、祈りと働きによって、言葉や秘跡を通して、教会を聖化するのです。さらに、司教は神の民の模範となることによって、教会を聖化しています。


統治する任務

第2バチカン公会議で出された『教会憲章』には、つぎのように書かれています。「司教は、キリストの代理者および使者として、自分たちにゆだねられたそれぞれの部分教会を助言、勧告、模範をもって、なおまた権威と聖なる権能をもって統治します」。(27項)「権威と聖なる権能」といいますと、非常にいかめしい感じがしますが、イエス・キリストがなさったように、奉仕する姿をとおして、それが行われるのです。司教たちの、奉仕という形をとおして示される統治は、教皇の指導のもとに、全教会との交わりの中で行使されています。

司教の司牧任務の原型であり、模範は、よい牧者であるキリストです。キリストがご自分の羊の群れを慈しみ、導かれるように、司教たちも神の民である私たちの先頭に立って教え、指導し、奉仕しておられるのです。信者である私たち神の民は、この司教の教え、指導に温順に一致して、成長していく務めがあるのです。

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