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第54回 からだの復活


第12項 「永遠のいのちを信じます」


フォーレ作曲の「ミサ・レクイエム」を聞いた人が、「この曲を聞いていると、まるで、死んだ人が生き返って、踊り出しそうですね」と言っていましたが、カトリックの信仰を持つ私たちは、実際に死者の復活を喜びをもって信じています。


第11項 「からだの復活を信じます」

信仰宣言の頂点は、世の終わりの死者の復活と、永遠のいのちの宣言です。キリストが、死者のうちから復活し、永遠に生きておられるように、私たちキリストを信じる人々が、死後、キリストと共に、永遠に生き、キリストによって復活させていただくことを、信じ、希望しています。キリストの復活が三位一体のみわざであったように、私たちの復活も、三位一体のみわざです。

死者の復活を信じることは、教会の初めから、大切にされてきたキリスト者の信仰の本質的要素のひとつでした。


1. キリストの復活とわたしたちの復活

復活についての漸進的啓示

復活についての信仰は、神によって徐々に明らかにされていきました。死者の復活への信仰は、天地創造の主への信仰から、次第に育まれていきました。霊魂と肉体からなる人間を造られた神への信仰と、民と結ばれたご自分の契約に忠実な神への信仰から、その形を取り始めたのです。

イエスと同時代に生きたファリサイ派の人々や、その他の多くの人々は、復活を待ち望んでいました。イエスは復活を否定するサドカイ派の人々に、「あなたたちは思い違いをしている」と、はっきり復活を教えておられます(マタイ12.27)。

それだけではなく、イエスは「わたしは復活であり、いのちである」とおっしゃって、復活信仰をご自分と結び付けられました。私たちがイエス・キリストを信じ、そのからだであるパンを食べ、その血であるぶどう酒を飲むとき、イエスは私たちを世の終わりに復活させてくださるのです。

キリストはご自分の復活を、ヨナのしるし、神殿のしるしなどの話で予告なさいました。 また、ラザロを蘇生させるなどの奇跡は、イエスの復活の予告でした。「ラザロの復活」という言葉で表現しますが、イエスの復活は、これら死者の蘇生とはまったく次元の違うものです。

復活の信仰は、復活されたキリストとの出会いに基づくもので、私たちはキリストのように、キリストと共に、キリストによって復活するのです。初代教会から、キリスト者の復活信仰は、人々の無理解と反対にあってきました。死者はどのように復活するのでしょうか。少し見てみましょう。


死者はどのように復活するのか

「復活する」とはどういうことか---

人は死んでその霊魂は、神のもとに行き、その人の肉体に結び合わされる日を待つのです。神はご自分の全能の力によって、イエスの復活の力によって、私たちの肉体に不滅のいのちをとりもどしてくださるのです。

だれが復活するのか---

亡くなったすべての人が復活します。しかし、善を行った人は永遠のいのちを得、悪を行った人は裁きを受けるために復活するのです。

どのように復活するのか---

イエスの復活された様子を聖書から見てみると、イエスの復活を信じられなかったトマスに「わたしの手や足を見なさい。まさしくわたしだ」とおっしゃいました。トマスに示されたイエスのからだは、十字架に付けられた傷跡のある体で復活されたということです。

このように、イエスにおいて、私たちすべての人間は、現在のからだで復活するのですが、このからだが栄光ある「霊のからだ」に変えられるのです。この「復活の方法」は、私たち人間の理解を超えており、信仰によってしか把握できない事柄です。しかし、私たちは、ミサに参加し、「キリストのからだ」をいただくということは、すでに、キリストによる私たちのからだの変容を前もって味わっているということなのです。

いつ復活するのか---

「世の終わり」、つまり、キリストが再臨なさる日に復活します。

キリストとともに復活した者---

洗礼によってキリストに結ばれた信者は、復活されたキリストの天上のいのちに、すでに、現実にあずかって生きています。聖体の秘跡によって、キリストのからだをいただき、キリストによって養われ、キリストのからだに属するものとなっているのです。ですから、私たちキリスを信じる者は、この世で生活しながら、すでにキリストの死と復活とにあずかって生活しているのです。終わりの日に、私たちが復活するときには、キリストと共に栄光に包まれて現れることでしょう。その日を待ち望みながら、生きる私たち信者は、自分だけではなく、他の人のからだも、特に苦しむ人のからだを尊重しなければなりません。

ぜひ、コリントの信徒の手紙1 6章13~20節もご覧ください。

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