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第56回 「永遠のいのちを信じます」
第12項 「永遠のいのちを信じます」
私たちキリストを信じる者は、自分の死をキリストのもとへ行き、永遠のいのちを生きることとみなしています。
1. 私審判
私たちは生きている間、神の恵みを受け入れることも、拒否することも、私たちの自由意志に任されています。しかし、死がそれに終止符を打つのです。
新約聖書には、死後、各自が行った行為と信仰に応じて報いを受けることが述べられています。十字架の聖ヨハネは「私たちは生涯の夕べに、愛について裁かれるでしょう」という言葉を残しています。深く考えさせられる言葉です。
人は死んだらすぐに、自分の人生でのキリストとのかかわりについて、私審判(ししんぱん)を受けます。その結果、ある人はすぐに天の永遠の報いを受け、ある人は清めを経た後で天に入り、あるいは、永遠の苦しみを受けます。
2. 天国
三位一体との愛の交わり、三位一体、おとめマリア、天使、聖人たちとの完全ないのちの交わりが、「天国」と呼ばれています。「天国」で生きるということは、神との親しい交わりのうちに死に、また完全に清められた人が、キリストと共に永遠にいるということです。人はキリストのうちに、自分の真の存在を見いだすのです。
イエス・キリストは、ご自分の死と復活によって、私たち人間のために、天国の門を開いてくださいました。天国に迎え入れられたすべての人が、イエスによって成し遂げられたあがないの実を、あますところなく享受しています。ここで、人々はキリストによる幸せな共同体を形作っているのです。
天の国の幸せな状態については、言葉では表現し尽くせないものですが、聖書は、いのち、光、婚礼の祝宴、父の家などの言葉で表しています。私たちは、この世で神を直接に見ることはできません。しかし、天国では、神を「顔と顔を合わせて見る」ことができると、聖パウロは書いています。これは「至福直観」と呼ばれます。
3. 最終の清め・煉獄
よく、人は死んで、天国か地獄に行く、と言いますが、カトリック教会では、天国、地獄だけではなく、神との親しい交わりを保っていたとしても、完全に清められないままで死を迎えた人は、天国での喜びに入るために、ある浄化の苦しみを受けると教えています。教会は、この最終的浄化を「煉獄(れんごく)」と呼んでいます。
教会は、その初めから、死者の記念を重んじていました。死者のために祈り、ミサをささげていました。それは、死者が清められて、神の至福直観に至ることができるためです。教会は私たちに、死者のために、施し、免償、償いのわざをするように勧めています。
4. 地獄
地獄はあるのでしょうか? 教会は、地獄の存在とその永遠性について教えています。痛悔をせず、神の慈しみを受け入れず、大罪を犯したまま死ぬことは、私たちが自分の自由意志によって、永遠に神から離れることを選び取ったということを意味します。
このような自分から決定的に神との交わりから離れ去った状態を、「地獄」と言います。神は人間が地獄に行くことを望んでおられません。教会は、だれ一人として、自分から神を捨て去ることがないように、皆が悔い改めるように、神の憐れみを、切に祈っているのです。
5. 最後の審判
最後の審判は、キリストの栄光の再臨のときに行われますが、「その日、その時を誰も知らない」とイエスはおっしゃっています。その時を決定されるのは、御父です。その時、神は、イエス・キリストをとおして、すべての人に対して、決定的な宣告をなさいます。
真理であるキリストの前に出たとき、一人ひとり、それまで神とどのようにかかわってきたかが明らかになります。その意味で、「最後の審判」のことを、「公審判(こうしんぱん)とも呼んでいます。私たちは、まだ時が与えられている間に、回心するように促されているのです。
6. 新しい天と新しい地の待望
最後の審判の後、世の終わりに神の国は完成します。世の終わりの神の国の完成は、人類と世界を変革する神秘的な刷新です。すべてのものが、頭であるキリストのもとに1つにまとめられるという、神の最終的なご計画の実現です。これを、聖書は「新しい天と新しい地」と呼んでいます。
人類にとってこの完成は、天地創造のときから神が定めておられたものです。神がご自分を無限に示される至福直観は、幸福と平和と交わりの尽きることのない泉です。
宇宙もこの完成の時には、一新されるように定められています。人間によって変形した世界の様相も過ぎ去り、復活されたイエス・キリストに結ばれた人々の栄光にあずかることによって、宇宙全体が、最初の状態に復帰するのです。この地上における進歩は、人間社会の向上に寄与する限りにおいて、神の国にとっても重要なものなのです。
最後に、「要約」がついています。大切な項目ですから、ぜひ、ご覧ください。