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第70回 諸典礼伝承と教会の普遍性


第2項 典礼の多様性と神秘の単一性


諸典礼伝承と教会の普遍性

最近海外旅行から帰ってきた信者さんの話ですが、たまたま旅行した先が中近東で、そこでカトリックのミサに出席したそうです。その話を聞かせてもらったのですが、「荘厳で、荘厳で、時間がかかって時間がかかって」と、まずその印象を話してくれました。

日本で、私たちが普通参加している典礼は、ローマ典礼という典礼様式ですが、この人が参加したミサは、他の典礼様式だったようです。

現在、世界中のあちこちで、多くの典礼様式でミサがささげられています。いろいろな様式でささげられているミサは、ただひとつ、キリストの過越の神秘を祝うものです。このキリストの神秘を、初代教会からどのように表現すれば、その豊かさと深さを表現できるかと、心をつかってきた結果が多様性のある典礼様式となったものです。

これらの典礼伝承は、相互に補い合い、すべての教会に共通な伝統と使命を忠実に保って発展してきたものです。多様な典礼の伝承は、「委ねられた信仰の遺産」の伝達、典礼象徴、兄弟的共同体の組織のあり方、秘跡についての神学的理解などに表されています。こうして、すべての人々の光であるキリストが、諸民族、諸文化に、教会の典礼を通じて紹介されるのです。


典礼と文化

典礼は、それぞれの民族の特性や文化に対応すべきものです。それによって、キリストの神秘が、あらゆる文化の中で告げ知らされ、祝われ、具現されるのです。しかし、秘跡としての典礼には、「変えることのできる部分」と「不変の部分」があります。

変えることのできない部分は、イエス・キリストによって制定されたものですから、守り続けなければならないものです。変えることのできる部分は、それぞれの民族、文化に適応させる権限と義務が教会にあるのです。これらの多様性は、当然のことですが、共通の信仰と、教会がキリストから受けた諸秘跡のしるし、そして位階制度のもとでの交わりへの忠実さをもって表されるのです。

最後に要約があります。必要なことが簡潔にまとめられているものです。ぜひ、要約に目を通してください。

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