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第73回 救いの営みにおける洗礼

今回は、洗礼の秘跡が制定されるまでの歴史を見てみたいと思います。


2 救いの営みにおける洗礼

旧約時代における洗礼の前表

現在多くの教会で、おとなの方の洗礼式は、復活徹夜祭に行われていますが、そのときに、「洗礼水の祝福」が行われます。この「洗礼水の祝福」の儀式の言葉な中に、旧約時代から示されていたことが明らかにされています。今、この儀式のことばに沿って、見ていきたいと思います。


天地創造のとき----
聖書には、神の霊が水の「面を動いていた」と述べ、天地の初めから水はいのちと豊かさの泉として示されています。


ノアの箱舟によって----
ノアの家族が水から救われたように、教会はここに、洗礼による救いの前表を見ています。


紅海を渡ることによって----
イスラエルの民は、エジプトでの奴隷状態から、紅海を渡り、解放されました。これは、洗礼による救いを示しているものです。


ヨルダン川を渡ることによって----
イスラエルの民は、ヨルダン川を渡り、約束の地にはいりました。この約束の地は、永遠のいのちを象徴しているものです。


キリストの洗礼

旧約時代の洗礼の前表のすべては、キリスト・イエスのうちに成就されます。キリストは、罪人が受けるものである洗礼を、進んでお受けになりました。これは、神の子であるにもかかわらず、人間を救うためにご自分を「無」とされたことを表す行為でした。

イエス・キリストが洗礼を受けられたとき、天が開け、御父が「これは、わたしの愛する子」であるとおっしゃり、私たちにイエスを啓示してくださいました。キリストは、ご自分が受ける「受難」を、ご自分が受けなければならない「洗礼」と呼んでおられます。十字架につけられたイエスの脇腹から、血と水が流れ出しましたが、これは、新しいいのちの秘跡である「洗礼と「聖体」を象徴するものです。このときから、私たち人間は、「水と霊とによって」生まれ、神の国に入ることができるようになったのです。

復活後、イエスは、使徒たちに、「あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守ように教えなさい」と使命をお与えになりました。


教会における洗礼

教会は、その誕生の日以来、キリストを信じる人々に洗礼を授けてきました。使徒たちとその協力者、後継者たちは、イエスを信じる人であれば、民族、身分の上下、男女の区別なく、洗礼を授けています。この洗礼を受けることによって、私たちはキリストの死にあずかり、キリストと共に葬られ、復活するのです。また、洗礼を受ける人は「キリストを着る」者となったのです。

洗礼は、聖霊によって人を清め、聖化し、義とする、水の「洗い」です。したがって、洗礼は、神の言葉を受け、その「朽ちない種」が、その人の中で芽を出し、成長し、実を結ぶ、水による「洗い」なのです。

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