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第108回 叙階の秘跡の三段階

 
3 叙階の秘跡の三段階
 

キリストの祭司職の役務として、カトリック教会では、古代から、司教、司祭、助祭がこの務めを果たしてきました。この司教、司祭、助祭は、「叙階」の秘跡によって授けられる役務です。

叙階の秘跡によって、司教、司祭、助祭に叙せられるので、「叙階の秘跡の三段階」と言いますが、しかし、キリストの祭司職への参与の仕方には二段階あり、「叙階」の秘跡によって授けられる役務は、みな同じものではありません。

現在、私たちが典礼で使っている「祭司」という言葉は、司教職と司祭職だけを指す言葉です。ですから、キリストの祭司職への参与の二段階というとき、「司教職」と「司祭職」を指します。これに対して「助祭職」は、司教と司祭を助け、奉仕する職務です。

では、これから、叙階の秘跡を受ける司教、司祭、助祭について見てまいりましょう。

 

司教叙階---叙階の秘跡の充満

キリストは、ご自分の後継者として使徒たちを選ばれましたが、その使徒たちの後継者が、司教たちです。教会は、その歴史の初めから、種々の役職の中で司教職は、使徒たちから受け継がれてきた第一のものと考えてきました。

叙階の秘跡の充満性は、司教叙階にあると言われます。第2バチカン公会議は、司教職について、次のように言っています。「司教聖別によって叙階の秘跡の充満、すなわち教会の典礼の慣習と聖なる教父たちの言葉によって最高の祭司職、聖職の総括と呼ばれている充満が授けられる」と。

司教には、按手と聖別の言葉を受ける叙階の秘跡によって、聖化の任務、教える任務、治める任務が授けられます。 この叙階の秘跡によって、司教は消えることのない聖なる霊印を魂に印されます。その恵みによって、キリストの代理者とされ、正しく真の信仰の師、祭司、牧者となるのです。

さらに、司教は、その秘跡的聖別の力によって、司教の頭である教皇と結ばれて、世界各地の司教たちの交わりに加わり、司教団の一員となります。 司教職の身分と集団的性格は、新しい司教が任命され、叙階される際に、数人の司教によって、叙階されるという教会の古くから実施されている伝統にも表れています。

ですから、キリストの代理者としての各司教は、それぞれに委ねられている部分教会(教区)の司牧にあたりますが、同時に、その集団的性格から、兄弟であるすべての司教たちと共に、全教会のための配慮も行うのです。

皆さんが所属なさっている教区において、その教区の司教様がささげられる感謝の祭儀が、大祝日などに、教区をあげて盛大にささげられ、参加なさったことがあることと思います。この司教司式の「感謝の祭儀(ミサ)」は、キリストの目に見える代理者である司教を中心に祭壇を囲んで集まった教会を表すものとして、特別な意味をもつ大切なものなのです。

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