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第110回 叙階式

 
4 叙階式

叙階の秘跡によって、教会の特別な役務に叙せられるのは、司教、司祭、助祭です。皆様も叙階式に参加なさったことがあると思いますが、叙階式は、各教区にとって重要な儀式ですから、なるべく多くの信者の方々が参加できるように、日曜日、あるいは国民の休日など行われるべきだとされています。

場所は、司教座聖堂で、荘厳に挙行されますが、もし、司教叙階と司祭叙階、助祭叙階が行われる場合には、まず司教叙階、次いで司祭叙階、そして助祭叙階が行われます。さらに、叙階式は、感謝の典礼の間に行われます。

ラテン典礼の叙階式は、受階者の選出が教会の慣習によっておこなわれていることを示すために、受階者の紹介と選出、司教の訓示、受階者との問答、諸聖人の連祷が行われ、聖別の儀式の準備を整えます。

次いで、司教と司祭の叙階では、聖霊が特別に注がれることを示す「しるし」として、聖香油の塗油が行われます。

司教叙階では、司教に福音書、指輪、ミトラ、杖が授与されます。これは、次のことを表しています。福音書は、神のことばを告げ知らせる使徒的使命のしるしであり、指輪は、キリストの花嫁である教会への忠実のしるしであり、ミトラと杖は、キリストの群れを養う任務を表すしるしです。

司祭叙階の祭には、司祭にカリスとパテナが授与されます。これは、神にささげる聖なる民の供え物を表すものです。助祭には、福音書が授与されます。これは、彼らが、福音を告げ知らせる使命を受けたことを表すしるしです。

 
5 叙階の秘跡を授ける者

新約聖書を読むと、使徒たちを選び、使命と権能をお与えになられたのはイエスご自身だということがわかります。イエスが天の御父のもとに帰られてからも、使徒たちを通して、神の民をいつも守り、導いてくださっています。ですから、ある人を司教に、ある人を司祭になさるのは、イエス・キリストだということが言えます。そして、キリストは司教たちを通して、今でも行動し続けておられるのです。

叙階の秘跡は、使徒的役務の秘跡ですから、この秘跡によって授けられる「霊的たまもの」「使徒の種」を伝え、授ける権限は、使徒たちの後継者である司教にあります。ですから、司教叙階を受けた司教だけが、叙階の秘跡の3段階を有効に授けることができるのです。

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