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第120回 夫婦愛の善益と要求
5 夫婦愛の善益と要求
夫婦の愛について、教皇ヨハネ・パウロ2世は、その大切なことをしばしば、一般謁見のときにも、また公文書においても、発言しておられます。特に、『家庭』において、次のように述べておられます。
夫婦の愛は、「ひとつのからだに結ばれることを超えて、一つの心、一つの魂を形づくっていく会人格的な一致を目指しています。したがって夫婦愛は、決定的な相互の与え合いにおいて、不解消性と忠実を求めます。それはまた生殖へと開かれているのです」。
教皇様の以上の言葉は、自然な夫婦愛の典型的な特徴を述べておられるのですが、それだけではなく、夫婦の愛のきずなを強め、純化し、キリスト者としてのいろいろな価値観を表現するところまでに高める意義を持っているのです。
結婚の単一性と不解消性–––
夫婦は、全面的に自己を与え合うという結婚の約束を日々忠実に守りながら、互いの交わりの中で成長するように招かれています。ですから、結婚した二人は、人格共同体としての単一性と不解消性を、生涯にわたって守るよう要求されているのです。
現代社会において、以上のことは大変難しいことを要求されているように感じるかもしれませんが、結婚の秘跡の与える恵み--キリストとの交わりによって強められ、純化され、完成されていくのです。ともに歩む信仰生活、ともに拝領する聖体との一致によって、深められていくのです。
夫と妻とは、完全な愛において、平等な存在です。この人間の尊厳は、一夫一婦制を明らかにするものです。ですから、一夫多妻制は、平等である尊厳と夫婦愛に反するものです。