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第123回 準秘跡の種々の形
前回は、「準秘跡」についてお話をいたしましたが、今回もその続きです。
準秘跡の種々の形–––
準秘跡には、いろいろな種類があります。いちばん、よく知られていて身近なものとしては、「祝福」を挙げることができるでしょう。
すべての祝福は、神様への賛美です。そして、神から恵みをいただくための祈りです。ですから教会は、イエス・キリストの名によって、キリストの聖なる十字架のしるしをしながら、祝福を与えます。
祝福には、人、食事、物、場所を祝福するということがあります。人の祝福では、男女の修道院長の祝福、おとめややもめの奉献、修道誓願式、朗読奉仕者、祭壇奉仕者、カテキスタなどの祝福があります。また、私が体験したものとしては、巡礼旅行に出かける前に、団長である神父様が、参加者と見送りに来ている人々、ご家族の方々の上に神様の祝福を授けていらっしゃるのを見たことがあります。その時、「ああ、祝福を受けて出発できるのは、幸せだな」と感じました。実際その巡礼は、実り豊かなものだったようです。
食事をする前に「食前の祈り」を唱えますが、これも、いただくお食事に神の祝福を求め、心身の健康を求める祈りです。
物の祝福は、教会堂や祭壇、聖香油、ミサに使用する祭具、祭服などがあります。その他、身近なものとしては、皆様も体験なさったことがあると思いますが、女性の方でしたら、ベールやロザリオ、十字架などを祝福していただくことや、車や自転車などの祝福をお願いするときもありますね。
場所の祝福としては、聖堂建設の場所の祝福、また個人の家を建てる時にも、その土地を祝福することや、アパートやマンションに引っ越しをした時などに、やはり祝福をお願いすることがあります。
一時、「エクソシスト」という映画や本で、「祓魔式」がメディアで取り上げられたり、話題にのぼったりしたことがありますが、これは、教会がイエス・キリストのみ名によって、公の権威をもって、人あるいは物が悪魔の支配から引き離されることを求める式のことを指しています。実際に、イエスが悪霊を追い出される奇跡を行われたことが、マルコ福音書1.25~26に書かれています。さらに、イエスはこの権威を、教会に委ねられました。
簡単な形での「祓魔式」は、洗礼式の時に行われますが、「大祓魔」と呼ばれている盛儀ふつ魔式は、司教の許可を得た司祭にだけ行うことができるものです。 ふつ魔を行うには、当人の苦しみが、病気に因るものではなく、悪魔の働きによるものであることを確かめる必要があります。
民間信仰–––
カトリックの教理を行う際には、秘跡や準秘跡の勉強だけでなく、キリスト教の信心や、民間信仰の問題についても考慮する必要があります。
キリスト者の宗教的感情は、教会の秘跡生活を中心にしながら、多様な信心業となって表れています。例えば、聖遺物の崇敬、聖所訪問、巡礼、十字架の道行き、ロザリオなどがあります。
信心業の実践は、司教の配慮と判断、ならびに、教会の一般的規範に基づいて行われます。民間信仰を維持し、支援するという問題には、司牧的識別が必要です。