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 マザー・テレサ

2005年8月

MOTHER TERESA

マザー・テレサ

  • 監督:ファブリッツィオ・コスタ
  • 脚本:フランチェスコ・スカルダマーリャ、マッシモ・チェロフォリーニ
  • 音楽:ギー・ファーレー
  • 出演:オリビア・ハッセー、セバスティアーノ・ソマ、ラウラ・モランテ、
          ミハエル・メンデル
  • 配給:東芝エンタテインメント

2003年 イタリア・イギリス映画 116分


オリビア・ハッセーの主演で話題になっている映画「マザー・テレサ」が、いよいよ8/13から公開となります。映画のプロモーションのために来日したオリビア・ハッセーは、すでにいろいろなテレビ番組に出演しているので、公開日の決定を待っている方も大勢いらっしゃるでしょう。

ジュリエットを演じ、聖母マリアを演じたオリビアが、「次は、ぜひマザー・テレサを演じてみたい」という夢を抱いてから20年。オリビアはマザー・テレサを、心を込めて演じました。映画は、マザー・テレサの列福式が行われた2003年10月に向けて撮影が進められ、列福式の日に、特別上映されました。

去る6月20日に行われた来日記者会見のとき、オリビアが「マザーの持っていた思い、強さ、慈悲の心を形にした」と語っているとおり、マザーの話し方、歩き方、手の動き、芯の強さ、ひたむきさ、人を見つめるまなざしなど、オリビアはマザー・テレサそっくりです。マザーの外見をまねるというよりは、マザー・テレサの心を汲もうとし、その結果マザーそっくりになったのかもしれません。この映画にかけるオリビアの姿は、すばらしいものです。

オリビアが目指していたとおり、映画をとおして観客に伝わってくるのは、“20世紀の聖女”と言われたマザー・テレサの心です。

カトリック教育修道会の女子校で教えていたマザー・テレサ(オリビア・ハッセー)が、自分の生涯を賭ける使命を見いだした後、その修道院を退会するまでの複雑なやりとり。そこには、修道院長(ラウラ・モランテ)との対立や、バチカンからの調査など、困難な障害がいくつもありました。しかし、「神さまのお望みならば、必ず実現する」と信じたマザーは、あきらめることなく、医療活動の訓練を受けながら許可される時を待ちます。

寺院を改修して「死を待つ人の家」を開設したとき、地域住民の猛烈な反対を受けます。路上にいる人を集めてキリスト教を押しつけているのではないかと乗り込んできたリーダーが目にしたのは、死に行く人たちの信じている神を大切にしているマザーたちの姿でした。その神聖な雰囲気に、リーダーは圧倒されます。ハンセン病患者のための施設を建設するためにも、いくつもの困難が続きました。また、孤児たちの養子縁組の活動にも、人身売買の容疑がかけられたりしました。

マザー・テレサ

マザーがはじめる活動には、困難がつきまといます。しかし、マザーの確信は揺らぎません。それは、自分のためにしているのではなく、困っている人々のためにしていることだからです。不可能と思われることを、可能にしていったマザー。もしかして、不可能と思うのは普通の人々であって、マザーには、「神さまのお望みならば、必ず実現する」という思いしかなかったのでしょう。

よき理解者、相談相手として、生涯にわたってマザーを支えたエクセム神父(ミハエル・メンデル)、バチカンから調査のためにやってきて、マザーの考えに共感し、バチカンの任務を終えてから、マザーとともに働くためにインドへやってきたセラーノ神父(セバスティアーノ・ソマ)、子どもたちに配る食糧を得るために、市場で物乞い同然のことをするマザーと、やがて一緒になって活動し、「神の愛の宣教者会」のシスターとなっていくかつての教え子たち。世界各地からやってくるボランティアの人々。マザーは、そのような人々に支えられて、神さまのために働き続けます。だれもが避ける人々に、手を差し伸べながら。

マザー・テレサ

神さまを信じきった人の生き方は、強いです。マザーの活動が大きくなったとき、組織化の必要を訴えるセラーノ神父に、マザーは「その必要はない」と反対します。セラーノ神父は、「30年たって、やっとマザーの考えが理解できました」と言ったときには、驚きました。やはり、マザーはすごい。

信仰を生きるとは、イエスに従う生き方とはこういうことなのだと教えてくれるマザー・テレサ。映画「マザー・テレサ」を、ぜひご覧ください。

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