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 NOEL

2005年12月

NOEL

  • 監督:チャズ・パルミテリン
  • 出演:スーザン・サランドン、ペネロペ・クルス、ポール・ウォーカー
  • 配給:ギャガ・コミュニケーションズGシネマ

2004年 アメリカ映画 96分

  • 第18回東京国際映画祭特別招待作品公式参加作品

クリスマス・イブの夜、街はイルミネーションが輝き、レストランからは人びとのはずんだ声が聞こえています。家々の窓は明るくともり、クリスマス・ツリーが飾られた部屋では、家族がテーブルを囲んでいます。クリスマスは特別の日、友達と、家族とともに過ごすうれしい日です。しかし、寒い外には、オーバーの襟を立て明るい窓をうらやましそうに眺めている人がいます。彼は、または彼女はつぶやきます。「クリスマス・イブをひとりで過ごすなんて、なんて寂しいんだろう!」しかし、彼らに奇跡が起きました。「みじめな人生じゃないよ。こんなに心温まる感動があるじゃないか」「NOEL」は、楽しさの外側にいる人たちに焦点をあてて描いた、心温まる作品です。

物語

ローズ(スーザン・サランドン)は長年出版社に務め、それなりにバリバリと仕事をこなしている。結婚したこともあるようだが、今は、仕事場、母が入院している病院、自宅を行ったり来たりしているだけの毎日。仲間が「恋をしなさい!」とすすめるが、その気はない。

今日も仕事が終わって、母親へのクリスマス・プレゼントを買い、病室にやって来た。アルツハイマーの母は、ベッドに身を起こしたまま動かない。医師は、昨日から何も食べていないと告げる。ローズは母に食べさせようと口にスプーンを持っていくが、キッと目を見開いた母の表情は動かず、口を結んだままだ。今日はおだやかに接しようと思っていたローズだが、怒って買い物の袋を床に投げつけてしまう。怒っても仕方ないとあきらめ、ふと向かいの病室に目をやると、寝たきりの男性のベッドが目に入る。なぐさめになるようにと、母のために買ってきた天使の飾り物を、彼の部屋の窓辺につるす。部屋を出ようとすると、ドアの後ろに一人の男性が座っていた。ローズに向かって「君は優しい人だ」と言う。

翌日はクリスマス・イブ。部下の若い男性がデートを申し込み、一緒に食事をする。男性は積極的だが、その気のないローザは彼を追い返してしまう。空しさに、一人街を歩いていると、にぎやかな声が聞こえてくる。明るい窓の光につられ、ローザは開いている玄関からその家に入ってしまう。家の中の一室に、泣いている女性がいた。彼女の名はニーナ(ペネロペ・クルス)。恋人とケンカをしたという。ニーナは、見ず知らずのローザに、来週結婚することになっている彼への思いを打ち明ける。ニーナは、彼を愛しているが、嫉妬深い彼を息苦しく感じている。ニーナは、妊娠しているかもしれないと語る。

ニーナの恋人は、警察官のマイク(ポール・ウォーカー)。ニーナが他の男性と語り合っていると、関係を誤解して相手の男性を殴ってしまう。マイクが同僚と入ったカフェ。そこのウェイターが、彼を昔から知っているようで、執拗に追いかけてくる。同僚からその人の履歴を聞いたマイクは、自分の嫉妬深さがもたらすものを見たような気がして、力を落とす。

ローズの母親が入院している病院の緊急治療室に、ひとりの青年がやってきて「クリスマスパーティーは何時から?」と尋ねる。「クリスマス・パーティーはないの。患者のためにはある。患者になれば、パーティーに出られるわよ」と言われ、帰っていく。彼の名はジュールズ。14歳のときのクリスマス・パーティーが忘れられない。それは病院で開かれたパーティーだった。「骨を折ってくれる人がいる」と聞いたジュールズは、その人を尋ねる。数時間後、ジョールズの姿は病院にあった。彼の右手は、ギブスで巻かれていた。

空しく街を歩き、波止場に来たローズが海を見つめていると、声をかける男性があった。それは、母の隣の病室にいた、見舞い客の男性だった。偶然の出会い。二人は少しずつ、語り合っていく。

 

寂しい思いをしていた彼らに、小さな奇跡が起きます。ひとりになって、静かに自分を見つめると、見えてくるものがあります。その思いを素直にだれかに話せたら……、それをじっと聞いてくれる人がいたら……、心は軽くなり、すべきことが見えてきます。クリスマスは楽しい喜びのときです。お生まれになった幼子イエスを静かに見つめるように、そっと自分を見つめるときなのかもしれませんね。

ミニミニ情報

映画「NOEL」のはじめと終わりに流れるクリスマス・ソングは、アメリカの女子パウロ会のシスターたちがうたっています。シスターたちは、映画の中にも登場します。はじめのシーン、街の広場にあるクリスマス・ツリーの上で、赤いマフラーを巻いてうたっていますので、気をつけて見てくださいネ。彼女たちの歌声は、澄んでいてとてもきれいです。CDも出しています。映画をご覧になって、聞いてみたいなと思われましたら、女子パウロ会“オンライン・ショッピング ”でお求めください。

   ・アメリカ女子パウロ会のシスターたちのCD
   歌:ボストン・セントポール・シスターズ
       「ザ・ワンダー・オブ・クリスマス」
       「ラブ・イズ・ボーン
       「マリアのうた」

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