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 ファミリー

2006年12月

ファミリー

  • 監督・脚本イ・ジョンチョル
  •   
  • 出演:スエ、チュ・ヒョン、パク・チビン
  •   
  • 配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

2004年 韓国映画 1時間36分

  • 第25回青龍賞新人女優賞受賞
  • 第3回大韓民国映画大賞新人賞受賞
  • 第41回百想芸術大賞新人演技賞受賞
  • アジア太平洋映画祭主演男優賞受賞

行き違いから、互いに素直になれなくなった父と娘。深いところでは大切にしたいと思っていながら……。父と娘という関係は、なぜ、こうかたくなになってしまうのでしょうか。

物語

窃盗と傷害の罪で捕らえられていた若い娘が、3年の刑期を終え刑務所から出てきた。寒い朝だった。娘の名はジョンウン(スエ)。家に帰ると、幼い弟ジョンファン(パク・チビン)が、大好きな姉が突然帰ってきたので、うれしくて飛びついてきた。姉が東京に留学していると父から教えられていたジョンファンは、東京について質問を浴びせる。弟がかわいくて仕方ないジョンウンだが、本当のことは言えなかった。そんな弟とは反対に、父チュソク(チュ・ヒョン)は娘の顔を見るなり「なぜ、帰ってきた」と冷たい言葉を浴びせる。

父は警察官だったが、片方の目が不自由になって職を辞し、魚屋になっていた。母親に暴力を振るう父を見て、ジョンウンは、母親が死んだのは父のせいだと思っていた。父に反抗した娘は、しだいに犯罪の道へと入っていった。そんな娘を父は赦せなかった。

ファミリー

家を出たジョンウンは、やっと雇ってもらった美容院で働きはじめる。美容師になって自分の美容室を持つのが、小さいころからの夢だった。お金が必要となったジョンウンは、かつての窃盗仲間で身代わりとなってあげたチャンウォンを尋ねお金を要求するが、チャンウォンはジョンウンがどこかに隠しているのではないかと疑っていた。チャンウォンは3年前とは違って、ナイトクラブを経営し、多くの手下を抱えるほどに出世していた。

そんなとき、ジョンウンは、父の親友である医師から、父親の病気について知らされる。父親は白血病で、最後の手段として骨髄移植しかなく、医師はジョンウンに提供者となるための検査をすすめる。また、片方の目が視力を失ったのは、ジョンウンが幼いころ、父の髪を切ろうとして持っていたハサミを落としてしまった事故によると知らされる。父は、娘の夢を閉ざしてしまうことがないようにと、娘には事実を語らず、出世の道から外れていったのだった。

ファミリー

自分の過ちに気がついたジョンウンは、次第に父へのかたくなな思いを溶かしていく。そんなジョンウンに、チャンウォンが近づいてくる。弟と父を守るために、ジョンウンはある決意をする。同じとき、娘の身に迫る危険を感じていた父も、ある決意をしていた。

 

これ以上娘が危険な道へ行かぬよう願い、罪を犯させたくないという父の思いが伝わったとき、娘は父への思いをあふれさせます。寡黙な父親だけに、娘を守るための行動に、親の愛のすごさを思いました。

悪ぶっているスエが、とっても魅力的でした。目がかわいくてきれいな女優さんで、この役により、いくつもの新人賞を受けました。弟役のパク・チビンは、「ファミリー」の後「奇跡の夏」に主演した、韓国の名子役です。

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