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 クィーン

2007年4月

The Queen

クィーン

      
  • 監督:スティーブン・フリアーズ
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  • 脚本:ピーター・モーガン
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  • 音楽:アレクサンドラ・デブラ
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  • 出演:ヘレン・ミレン、マイケル・シーン、アレックス・ジェニングス
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  • 配給:エイベック・エンタテインメント

2006年 英仏伊合作映画 1時間41分

  • 2007年ゴールデングローブ賞 主演女優賞、脚本賞受賞
  • 第79回アカデミー賞主演女優賞受賞 6部門ノミネート
  • 2006年ヴェネチア国際映画祭 最優秀主演女優賞、脚本賞、
  •    国際映画批評家連盟賞受賞
  • 全米映画俳優組合賞 最優秀主演女優賞(映画部門)受賞
  • サンフランシスコ映画批評家協会賞 主演女優賞受賞
  • その他、41の映画賞で71部門にて受賞

物語

1997年5月、総選挙で勝ったトニー・ブレア(マイケル・シーン)が、エリザベス女王(ヘレン・ミレン)の承認を受けるため宮殿にやってきた。今世紀最年少で首相となったブレアに、側近は女王へのあいさつの仕方など伝統的な作法を教える。やがて女王がやってきた。たった2人だけでの式は、15分であっけなく終わった。

8月30日、郊外の城で過ごしていた王室一家に、ダイアナ元皇太子妃がフランスで交通事故にあい、集中治療室に運ばれたというニュースが入る。ダイアナ元妃はパパラッチに追われ、乗った車は猛スピードでトンネルに入ったところで事故に遭ったという。チャールズ皇太子(ヘレン・ミレン)は王室専用機でパリに向かおうと提案するが、女王は彼女はもう王室の者ではなく民間人なのだからと、使用を禁止する。

翌31日、ダイアナ妃が亡くなる。このニュースに、世界中が大きな衝撃を受けていた。ブレア首相は、彼女の死が大きな騒ぎになると予想し、声明発表への準備をすすめていった。バッキンガム宮殿には、ダイアナの死を悲しむ人々が、次々とやって来て花束をささげていた。しかし、エリザベス女王はダイアナに冷たく、葬儀はダイアナの生家に任せ内輪の葬儀にするようにと言う。

ブレア首相が声明を発表した。人々の動きを感じ取って「国民のプリンセス」という言ったブレア首相の人気は一気に高まり、それを見たチャールズ皇太子はロイヤルファミリーの古さをアピールし、この機会に自分の立場を国民にアピールする。

バッキンガム宮殿に半旗が掲げられていないことに、国民は王室の対応に反発を感じていく。ブレア首相が宮殿に戻るように要請しても、女王はかたくなに戻ろうとしない。2人の王子の悲しみをまぎらわすために、連日、彼らを狩りに行くように命じる。

クィーン

国民から理解を受けていると信じていた女王は、一人車を走らせるが、川を走っている車が動かなくなり、助けが車での間、しばしなすすべもなく時を過ごす。一人大自然に抱かれている女王の目に、涙が流れる。国民と国を守るために一生懸命その任務を果たしてきたが、今、彼女の考えは、政府にも国民にも理解されていない。国の首長としての苦しみ、憤りなど、押さえていた感情が流れ出てきたのだ。ふと目を上げると、大きな牝鹿が現れた。その美しく雄々しい姿に、女王は自分を取り戻す。

時代と国民の変化を感じ取った女王は、ブレア首相の提言を受け入れ、バッキンガム宮殿に帰ることを決意する。宮殿の近くで車を降りた女王は、門の前に並べられた花束の中に、王室や女王への非難のメッセージがあることを見つける。女王を見守る人々ににこやかに笑顔を向けながら、女王の心は悲しみに沈んでいった。

 

ダイアナ元妃の事故死をとおして、いろいろな立場の人の思惑があらわになっていきます。国民の王室とは何なのか、国民の支持を受けるためにはどうしたらいいのか。それは女王だけでなく首相、政党も同じことです。夫のエジンバラ公に相談しても、最終的には君主である女王が決断していかなくてはなりません。君主としての姿と、一人の女性として、妻、母、祖母としての姿、さらに、ブレア首相が「女王の首相である」と言っていますが、王室と政府、女王と首相の関係など、いろいろなことを興味深く見ました。

ダイアナ元妃が亡くなって10年。王室のダイアナ元妃に対する非難も描かれています。まだ実在する人々、それも一国の首長のマイナスだった面を描くことができたということは、スゴイことだと思います。本年度アカデミー賞最優秀主演女優賞、ゴールデングローブ賞最優秀主演女優賞受賞など、さまざまな映画賞を受賞した話題の作品を、ぜひご覧ください。

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