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 サイドカーに犬

2007年6月

サイドカーに犬

  • 監督:根岸吉太郎
  • 原作:長嶋有『サイドカーに犬』
  • 脚本:田中晶子、真辺克彦
  • 音楽:大熊ワタル
  • 出演:竹内結子、古田新太、鈴木砂羽、松本花奈、ミムラ
  • 配給:ビターズ・エンド、CDC

2007年 日本映画 94分


夏休み。小学生にとっては、いつもと違った毎日がやってくる。楽しいことがないかな~と期待したりする。父とのいさかいの後、母が家を出て行ったしまった薫の夏休み。何があったのか、大人のことはよく分からない。家族にとって危機的な状況にあったはずの夏休みだが、母のかわりにやってきた不思議な女性との生活で、薫には忘れられない夏休みとなった。

物語

不動産会社に勤めている近藤薫(ミムラ)は、マンションの下見にくる客に部屋を案内する毎日だ。仕事の後に、久しぶりに会った弟から、結婚するという報告を受けた。父親と口をきかなくていいから……ということで、式には母親も参列してくれることになったと喜んでいる。弟は、「こんなことでもないと、家族がそろわないから」と言う。薫は、小学校4年のときの夏休みを思い出していた。

夏休みが始まる前の日、「無理して結婚しなくていいからね」と言って台所をきれいに掃除していたお母さんは(鈴木砂羽)は、翌日家を出て行った。数日後、突然ドアが開いて、長い髪の女性が入ってきた。「オッス!」と言って断りもなく部屋に上がり、冷蔵庫の中を開けたり、たばこをすったりして、自分の家のようにしている。薫は、驚いて目を丸くするだけであっけにとられていた。お父さんに頼まれて、ごはんを作りに来たと言う。彼女の名はヨーコ(竹内結子)さん。ドロップハンドルの自転車に乗るカッコイイ女性だ。薫といえば、自転車は持っているものの、まだ乗れない。ヨーコさんから買い物にさそわれ、薫は一緒に連れて行った。ヨーコさんは、カレーの材料を手にしては、ポンポンと大胆にカートに入れていく。お菓子コーナーでは、薫のために、好きな麦チョコを4袋も買ってくれた。

サイドカーに犬

それからヨーコさんは、毎日やって来た。いったいだれなのだろう。ある日ヨーコさんは、「自転車に乗れるようになると世界観変わるよ」と、薫を公園につれて行き、自転車を教えてくれた。自由奔放で、自分の考えをしっかり持っているヨーコさん。ヨーコさんのすることは、お母さんとはぜんぜん違って、いろいろなことを教えてくれた。なんだかおもしろい。ヨーコさんから、「お母さんがいなくてさびしい?」と聞かれても、本当のところよく分からない。自分の思っていることをなかなか言えない薫は、ヨーコさんといると楽しくなっていく。

そんなある日、馬券でもうけたヨーコさんは、「私の夏休みにつきあってくれない」と言い、二人は漁村に向かう。このままヨーコさんがお母さんになってくれたら……。

 

ヨーコを、さわやかに演じる竹内結子さんは、自由で大胆でさっぱりしていて、でも薫や弟のことも考えてくれていて、とってもステキな女性です。無口で引っ込み思案だった薫は、ヨーコさんと過ごすうちに、心を開いていきます。いろいろなことも教えてもらった。短い一夏のことでしたが、ヨーコさんと過ごした夏休みは、薫にとって忘れられないものになりました。

薫だけでなく、私たちにとっても魅力的なヨーコさんを、竹内結子さんがカッコよく演じています。そして、薫役の松本花奈がカワイイ!

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