home>シスターのお薦め>お薦めシネマ>マリア

お薦めシネマ

バックナンバー

 マリア

2007年12月

THE NATIVITY STORY

マリア

  • 監督・製作総指揮:キャサリン・ハードウィック
  •   
  • 脚本・製作総指揮:マイク・リッチ
  •   
  • 衣装デザイナー:マウリッツィオ・ミェノッティ
  •   
  • 音楽:マイケル・ダナ
  •   
  • 出演:ケイシャ・キャッスル=ヒューズ、オスカー・アイザック、
         ヒアム・アッバス、ショーン・トーブ、ナディム・サワッラ、
         エリック・エブアニー、ステファン・カリファ、
         スタンリー・タウンゼント、キアラン・ハインズ、
         ショーレ・アグダシュルー
  •      
  • 配給:エイベックス・エンタテインメント

2006年 アメリカ 100分

クリスマスを前に、イエス誕生の物語を描いた映画が公開となりました。イエスの誕生については、マタイ福音書とルカ福音書にしるされています。「マリア」は、ヘロデ王と3人の占星術の博士たちの旅とイエスの礼拝、ヘロデによる幼子虐殺、エジプトへの逃避がマタイ福音書から、そして、ルカ福音書からは、マリアのいとこにあたるエリザベトと夫ザカリア、マリアへの天使のお告げ、マリアのエリザベト訪問、ベツレヘムでのイエスの誕生、羊飼いたちのイエス訪問などを、豊かに描いていきます。

聖書の中でも、上記のか所は想像力をたくましくして描くことができる感動的な場面です。キャサリン・ハードウィック監督は、聖書の中でもっとも不可思議なマリアの懐妊という出来事を、村の人々のごく普通の日常の中での出来事としてさりげなく描いていきます。

マリア


マリア マリア

いろいろな人のつながりの形が登場します。まず家族として、マリア(ケイシャ・キャッスル=ヒューズ)と両親(ヒアム・アッバス、ショーン・トーブ)、ザカリア(スタンリー・タウンゼント)とエリザベト(ショーレ・アグダシュルー)、ヘロデ(キアラン・ハインズ)と妻と息子。仲間として、旅をしている3人の博士たち(ナディム・サワッラ、エリック・エブアニー、ステファン・カリファ)、ヨセフ(オスカー・アイザック)と村の青年たち、マリアと村の娘たち、親類のマリアとエリザベトなど、イエスの誕生にまつわる人々が描かれていきます。村の人々の生活は、現代よりもとても親しく深いものです。そのような近い関係だった村人たちの中で、神の子を身ごもったマリアは厳しい視線にさらされます。そんなマリアをじっと見守るヨセフは、天使から神の意図を知らされて強くなります。多くを語らない二人ですが、ベツレヘムへの長い旅の中で、神から使命を託された人同士として次第に固い思いで結ばれていきます。

生まれたばかりのイエスを抱くマリアの表情がすてきです。神の子を抱きながら、天使から言われたことを実現された神の偉大さとやさしさを味わっているようです。イエスをじっと見つめる二人のまなざしから、これからその子を育てていく若い両親の決意を感じました。

マリア

「クジラの島の少女」で話題となったケイシャ・キャッスル=ヒューズは、少女から大人の女性へと成長していくマリアを静かに、しかししっかりと力むことなく演じています。出演する俳優たちは、ニュージーランド、グアテマラ、イスラエル、ヨルダン、フランス、トリニダードトバコ、イラン、アイルランド……の世界各地からの出身で、これも映画の豊かさとなりました。ヘロデ親子や3人の博士たちのきらびやかな装い、マリアをはじめ村人たちの素朴な服など、衣装もひとつの見どころです。

神が人間の姿をとってこの世に来てくださったその出来事をじっくりと描いた映画「マリア」を黙想することによって、イエスが人となってわたしたちの間に来てくださったその意味を味わいましょう。

▲ページのトップへ