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 フィクサー

2008年4月

MICHEL CLAYTON

フィクサー

  • 監督・脚本:トニー・ギルロイ
  • 総指揮:ジョージ・クルーニー
  • 出演:ジョージ・クルーニー、ティルダ・スウィントン、
       トム・ウィルキンソン、シドニー・ポラック
  • 配給:ムービーアイ

2007年 アメリカ映画 120分

  • 第80回アカデミー賞助演女優賞受賞、7部門ノミネーション
    (作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞、脚本賞、
    作曲賞)
  • ゴールデン・グローブ賞 4部門ノミネート
  • 全米映画卑怯か協会賞
  • ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞
  • ブロード・キャスト映画批評家協会賞
  • ロンドン映画批評家協会賞
  • フェニッスク映画批評家協会賞、他、多数受賞・ノミネート
 

“フィクサー”とは、もみ消し屋の意味です。弁護士でありながら、裏工作をしてさまざまな不祥事をもみ消していくために働きます。社会派のジョージ・クルーニーが監督・出演し、アカデミー賞監督賞・脚本賞を受賞した「グッドナイト&グッドラック」に続き、「フィクサー」で彼は総指揮し、主演しています。この作品もアカデミー賞7部門にノミネートされ、助演女優賞を受けました。大手企業の不正に気づいた者が、簡単に消されていくアメリカ社会。そして、ジョージ・クルーニー演じるフィクサーのマイケル・クライトンが所属する弁護士事務所も、日本では想像もできないほどの大きさの法律事務所です。巨大な組織の中で影を歩み、人生を悩み、家族の悩みを抱えて生きる孤独な男が、不正義に屈せず、怪物のような悪と戦う姿が、カッコよく魅力的です。やはり人間、こう生きなくてはね……と、愛を感じるサスペンスです。

物語

マンハッタンにあるケナー・バック&レディーン法律事務所のフィクサー、マイケル(ジョージ・クルーニー)は、大物が集まる法律事務所の中で、表に出ない仕事を託されていた。今日も、上司のマーティ(シドニー・ポラック)からの連絡で、マイケルは有名人の家にやってきた。その彼は交通事故を起こしたが、スキャンダルになるのを避けた逃げてしまったという。自分の名がばれずにその事故を処理しろと言うのだ。いばった態度の依頼者に対して、マイケルは警察に出頭するようにすすめるが、「お前は腕のいいもみ消し屋だろう」と叱責される。いつまでこんな仕事をしているのか……と嘆くマイケルに、マーティは、「こういう仕事はお前にしかできない」と彼を評価する。マイケルは、人生を考えてはじめている。

この仕事のために、マイケルは妻とは離婚し、彼女との間には親権を争っている息子がいる。マイケルにとって息子との出会いが、唯一の慰めのときである。病気の父がおり、共同経営を始めた従兄弟はアル中で事業は失敗し、多額の借金の返済を迫られていた。

フィクサー
(C) 2007 Clayton Productions, LLC

そんなとき、優秀な弁護士のアーサー(トム・ウィルキンソン)が担当していた農薬会社の集団訴訟問題の会議中に、突然裸になり留置所へ送られるという事件が起きる。アーサーはU・ノース社への3000億円の集団訴訟にかかわっていくうちに、会社の秘密をつかみ、訴訟の妨害に出たのだ。またアーサーは原告側の女性とかかわっていたことも明らかになる。ことの成り行きによっては、法律事務所の存亡にもかかわるこの事件に、マイケルはもみ消し屋としてかかわることになる。

しかし、アーサーから話を聞いたマイケルは、アーサーが訴訟事件をくつがえすような秘密をつかんでいることを知る。しかし、その内容を語らずに、アーサーは突然の発作で亡くなってしまう。病死と思われたが、マイケルは何者かに殺されたに違いないという事実をつかむ。

フィクサー フィクサー
(C) 2007 Clayton Productions, LLC (C) 2007 Clayton Productions, LLC

その後マイケルの車が突然爆発し、マイケルも命を狙われていることに愕然とする。いったいだれなのか、何を隠そうとしているのか。車とともに死んだことになっているマイケルは、U・ノース社の法務部本部長であるカレン(ティルダ・スウィントン)との戦いに挑む。

 

大会社の法務部本部長に昇格したエリートのカレン。映画の中では、毅然とした姿で公の前に出るカレンと、その陰でプレッシャーに震える野心家の孤独が表現され、一つの見所です。より上の地位へと昇っていくカレンも、だれかに操られているようです。

マイケルが突き止める真実は、はたして巨大企業とカレンの前に明るみになるのでしょうか。

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