お薦めシネマ
帰らない日々
2008年7月
Reservation Road
- 監督:テリー・ジョージ
- 脚本:ジョン・バーナム・シュワルツ、テリー・ジョージ
- 原作:ジョン・バーナム・シュワルツ
- 音楽:マーク・アイシャム
- 出演:ホアキン・フェニックス、マーク・ラファロ、
ジェニファー・コネリー、ミラ・ソルビーノ、
エル・ファニング、ショーン・カーリー、
エディ・アルダーソン - 配給:ブロードメディア・スタジオ
2007年 アメリカ映画 1時間42分
交通事故で息子を亡くした父親と、離婚して息子と離れて暮らしている加害者という、二人の父親の物語です。それぞれの父親の息子への愛が、形は違っても、切ないほどに伝わってきます。
物語
弁護士のドワイト・アルノー(マーク・ラファロ)は、離婚した妻ルース(ミラ・ソルビーノ)に引き取られた11歳の息子ルーカス(エディ・アルダーソン)と、月一度の面会を楽しんでいた。二人は共通のファンであるレッドソックスの試合を見に来ていた。白熱した試合が延長し、ルーカスを送り届ける時間に遅れそうになったドワイトは、急いで車を走らせていた。
大学教授のイーサン・ラーナー(ホアキン・フェニックス)は、妻のグレース(ジェニファー・コネリー)、8歳の娘エマ(エル・ファニング)と一緒に、公園のステージでチェロを演奏している10歳の息子ジョシュ(ショーン・カーリー)のリサイタルに来ていた。ジョシュはイーサンの自慢の息子で、エマも兄を尊敬していた。リサイタルを終え、一家は家に帰るために車を走らせていた。エマは、蛍が入ったガラスビンを大切に持っていた。
(C)2007 Focus Features. All Rights Reserved.
トイレを借りるために、イーサンは、ガソリン・スタンドに車を止めた。エマとグレースがトイレに行っている間、ジョシュは蛍を放とうと道路脇の草むらに向かった。
カーブで突然現れた対向車に驚いてハンドルを切りそこねたドワイトは、ダッシュボードに目をぶつけたルーカスを心配し、何かにあたった感覚があったものの、そのまま車を走らせた。
(C)2007 Focus Features. All Rights Reserved.
スピードを出してハンドルを切る車に危険を感じたイーサンが目を上げると、ライトのまぶしさの後、道に倒れているジョシュの姿が見えた。幸せな家族は、一瞬にして不幸のどん底に突き落とされた。イーサンもルースも、そしてエマも、愛するジョシュを殺したのは自分だと罪の意識に苦しみ、心が離れすさんでいった。
警察の質問に答えようと事故当時のことを思い出そうとするイーサンだが、暗闇の一瞬のできごとで何も思い出せなかった。はかどらない捜査に、イーサンは自分で犯人を見つけるべく、弁護士に調査を依頼することにした。弁護士事務所を訪れたイーサンに紹介されたのは、ドワイトだった。
(C)2007 Focus Features. All Rights Reserved.
被害者も加害者も苦しい日々が続きます。なぜ、出頭できないのか。ここが別れた息子に対して父親としての姿を示したいという望みと葛藤する、一つの大切な点です。二人の父親は、それぞれの苦しみから、どのように家族を救っていくのか、考えさせられる映画です。