お薦めシネマ
ハーモニー 心をつなぐ歌
2011年 1月
harmony
- 監督・脚本:カン・テギュ
- 音楽:シン・イギョン
- 出演:キム・ユンジン、ナ・ムニ、カン・イェウォン、イ・ダヒ、
チャン・ヨンナム - 配給:CJ Entertainment Japan
2010年 韓国映画 115分
韓国の女子刑務所が舞台です。限りある生活の中でも、合唱という共に心をひとつにすることをとおして、家族との関係を取り戻し、刑務所にかかわる人や、社会の人々の偏見を修正していくという、元気をもらう作品です。受刑者たちの家族への思い、また、家族の受刑者への思いが描かれ、後半は、それぞれの切ない思いがよく表現されていて涙がとまりません。
物語
チョンジュ女子刑務所で、一人の受刑者が男の子を産んだ。激しい夫の暴力からお腹にいる子どもを守るため、ジョンへ(キム・ユンジン)は夫を殺してしまったのだ。刑務所の中で我が子と一緒に暮らせるのは生後18か月まで。ジョンへには身寄りがないので、子どものミヌは、里子に出されることになっていた。
(C)CJ Entertainment Inc. ALL RIGHTS RESERED
ジョンへのいる監房には他に3人の受刑者がいた。詐欺罪で服役中のファジャは、夫と2人の娘が帰りを待っていた。ファジャの子分的存在のヨンシルは元プロレスラーで、力加減を誤ってコーチの首を折ってしまった。刑務所の中で母親的存在であるムノク(ナ・ムニ)は、元音楽大学の教授だが、夫とその愛人を車で轢き殺してしまい、死刑の宣告を受け18年を刑務所で過ごしていた。彼女たちはジョンへの出産を見守り、ミヌの1歳の誕生日には、それぞれの持ち物からなんとかプレゼントを持ち集まり祝った。
刑務官のパン課長(チャン・ヨンナム)は、受刑者たちを見下して厳しく接していたが、新任のコン刑務官(イ・ダヒ)は優しすぎて上司から叱られていた。
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ある日、慰問に訪れた合唱団の歌を聞いたジョンへは、自分たちも合唱団を作ろうと思い立ち所長に直談判する。半年で成果を上げることを条件に、合唱団の結成が許された。さらに、成功したら、ミヌとの外泊許可ももらえた。
そんな中、ジョンへの監房に若い女性が入ってきた。ユミ(カン・イェウォン)は、義理の父親から受けた性的暴力を避けようとして誤って義父を死なせてしまい、さらに娘より夫を守る母親の姿に絶望し心を閉ざしていた。監房の中でも人と交わらず、反抗的態度をとって騒ぎを起こしていた。
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ジョンへの、合唱団作りへの努力が始まる。合唱指導を拒否し続けたムノクも指揮をすることを受け入れ、バイエルしか弾いたことのないコン刑務官も伴奏を練習し始める。しかし、素人の合唱団はなかなかまとまらない。リーダーとなったジョンへ自身も、歌えばミヌが泣き出すほどのガラガラ声で音痴だった。いったい半年という約束は守られるのか。そんな彼女たちを救ったのは、音楽家の学生だったユミだった。ジョンへの歌を指導しながら、やがてユミの心は開かれていき、彼女のソプラノが合唱団員たちの声をまとめ、心もひとつになっていった。
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半年後、刑務所内の受刑者や関係者たちを前に、発表会が行われた。たいしたことはないだろうと思っていた所長や刑務官たちも、ジョンへたちの楽しい合唱に驚き、会場は歌声とひとつになって大成功のうちに終わった。約束通り、ジョンへはミヌを連れて外泊することになる。しかし、それはミヌとの哀しい別れの時でもあった
4年後、女子刑務所の合唱団は多くの人から認められる存在になり、クリスマス・イブにソウルで開かれる全国合唱大会で歌うことになった。受刑者たちには、会場に家族を招くことがゆるされていた。ジョンへたちは、家族と出会えることに心を躍らせながら、刑務官たちの厳重な警備体制の中、会場へと向かった。しかし、控え室で起きた盗難事件の嫌疑が彼女たちにかけられ、屈辱的な行為を要求される。さらに、彼女たちのステージは急きょキャンセルになるとアナウンスされてしまう。
はじめはドタバタ的な感じですが、次第に、引き込まれていきます。たくさんのドラマに出演している国民的女優ナ・ムニが、温かい母親的存在で、見る者をホッとさせます。日本とは違う韓国の刑務所内も興味深いです。そして、歌の力、さらに合唱の力を感じます。