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 洋菓子店コアンドル

2011年 1月

PATISSERIE Coin de rue

洋菓子店コアンドル

  • 監督・脚本:深川栄洋
  • 脚本:いながききよたか、前田こうこ
  • 音楽:平井真美子
  • 撮影:安田光
  • 出演:蒼井優 、江口洋介、戸田恵子、加賀まりこ、
        江口のりこ、尾上寛之
  • 配給:アスミックエース
 

2011年 日本映画 1時間55分



ホッとしたり、幸せを感じるときって、どんなときですか? 山登り、散歩、おいしい食事、ショッピング、庭いじりや畑仕事、我が子の成長……、いろいろなときがあるでしょう。おいしいスイーツもそのひとつ。有名なパティシエがいるスイーツのお店に行って、「う~~ん、今日は何にしようかなぁ……」と迷いながらケーキを選び、いつものテーブルでおいしいケーキをいただく。これこそ癒しのとき、至福のとき!! 映画「洋菓子店コアンドル」は、人を幸せにするケーキを作るためにお店を開くことを夢見ている、若き女性パティシエの成長物語です。

 

物語

鹿児島のケーキ屋の娘・なつめは、修行のために東京に行ったまま所在が分からなくなっている婚約者・海君(尾上寛之)を探すために、東京にやってきた。千尋からの手紙にあった住所を探し、やっとその店を見付けたが、海君はすでに店をやめ、行き先はわからなかった。海が勤めていたその店は、東京でも有名な洋菓子店“パティスリー・コアンドル”。オーナーでありパティシエでもある依子(戸田恵子)が、夫や従業員のマリコ(江口のりこ)とともに、店を切り盛りしていた。

婚約者を連れて帰る約束で故郷を出てきたなつめは、海君を見つけるまでは、故郷で待っている祖母の元に帰るわけにはいかず、しかし行くあてもなく、“パティスリー・コアンドル”で働かせてもらえないかと依子に頼む。鹿児島でケーキを作っていたなつみは、「腕には自信がある、すぐ役に立つから」とアピールし、依子やマリコの前で腕前を披露することになった。しかし依子から「路上で売っているクリームたっぷりのクリスマス・ケーキでも、作っていなさい!」と、けんもほろろに断られる。

 

洋菓子店コアンドル
(C) 2010『洋菓子店コアンドル』製作委員会

 

「これを食べたら、帰りなさい」と依子が出してくれたケーキを口にしたなつみは、今まで食べたことのない味に驚き、ひとさじ、ひとさじに幸せを感じた。目が開かれたなつみは、2階の事務所に寝泊まりしてパティシエの修業をしながら、海君を捜すことにする。

お店には、クールな感じの男性・十村(江口洋介)がよくきていた。十村は依子の料理学校時代の同級生で、その腕前はだれもが認めるものだったが、今は料理評論家として、うわさのケーキ屋を雑誌の記事にしていた。

ケーキ作りの修行をはじめたなつみだが、持ち前のきかん気で、先輩のマリコとぶつかってばかり。けんかの最中に出たマリコの言葉から、海君のいるお店がわかる。なつみは喜びをかみしめて海君に会うのだが、親の決めた結婚に対して、最初から海君の心はなつみからは離れており、今は恋人とともにパティシェの修行に励んでいた。ケーキ作りの才能があるとわかってきた依子は、ひそかになつみに期待をかけるようになった。

 

洋菓子店コアンドル
(C) 2010『洋菓子店コアンドル』製作委員会

 

ある日依子は、なつみの作った創作ケーキの試作品を、常連客の芳川さん(加賀まりこ)に食してもらう。しかし、芳川さんの評価はイマイチ。依子から芳川さんの話を聞いたなつみは、ケーキ作りをとおして作り手と食する人との間に生まれるコミュニケーションを知るようになり、ますます熱心にケーキ作りを研究するようになる。その姿を見て、今の自分に満足していない十村の心も動きはじめる。依子は、十村のケーキを「人を幸せにする」と評し、一緒に仕事をしないかと声をかけていたのだ。その話を聞いたなつめは、十村がどうしてケーキ作りをしなくなったのか興味をいだく。

長い交渉の末、晩餐会のデザート作りという大きな仕事を取り付けた依子だったが、その交渉の帰り道、めまいをおこし石段から転げ落ちてしまう。けがの快復まで月日がかかると知らされた依子は、店をたたむことを決心し、マリコとなつめも解雇されてしまう。

しかし、マリコと十村がいれば晩餐会のデザートの仕事も、お店の継続もできる自信を持っているなつみは、マリコのアパートを訪れ、一方で十村を探す。

洋菓子店コアンドル
(C) 2010『洋菓子店コアンドル』製作委員会

 

 

見た後に、明るくなっている自分に気がつきました。自己中心的な考えが鼻につくなつみですが、蒼井優という俳優の力なのか、一所懸命ななつみの姿から生きることに対して希望をもらいます。戸田恵子さんの誠実さ、加賀まりこさんの若い人を見る目もステキです。今どきのつっけんどんなマリコを演じる個性的な江口のりこさんも興味深い役者さんです。


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