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 ソーシャル・ネットワーク

2011年 2月

THE SOCIAL NETWORK

ソーシャル・ネットワーク

  • 監督:デヴィッド・フィンチャー
  • 原作:ベン・メズリック
  • 脚本: アーロン・ソーキン
  • 音楽: トレント・レズナー
  • 出演:ジェシー・アイゼンバーグ 、アンドリュー・ガーフィールド、
        ジャスティン・ティンバーレイク、ルーニー・マーラー
  • 配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
 

2010年 アメリカ映画 2時間



mixiやtwitterなど、インターネット上で仲間やネットワーク作りをすることができる「ソーシャル・ネットワーク」。30年あまり続いたエジプトのムバラク大統領の独裁を市民の力で革命を起こして辞任に追い込んだのは、大学生たちを中心につながっていった「フェイスブック」でした。若者たちに刺激された30代の男性たちも、「フェイスブック」に登録し、デモの様子などの動画をアップして、多くの市民たちの参加を促していったようです。

世界的規模のソーシャル・ネットワークサービス「フェイスブック」を立ち上げたマーク・ザッカバーグは、当時19歳のハーバード大学生でした。映画「ソーシャル・ネットワーク」は、大学の仲間うちで始めた大学生のためのネットワークが、やがて世界的規模のネットワークになり会社も大きくなっていくまでを描いた興味深い内容です。現代の若者たちのコミュニケーションのあり方と、いつの時代も変わらない、何かを立ち上げていく若者の成功と挫折を描いていきます。

2010年東京国際映画祭のオープニング作品として選ばれ、また、今は、アカデミー賞8部門にノミネートされ、第68回ゴールデン・グローブ賞4部門で受賞するなど、数々の映画賞を受賞しています。

 

物語

ハーバード大学でコンピュータサイエンスを学ぶマーク・ザッカーバーグ(ジェシー・アイゼンバーグ)は、コンピュータに対しては天才的なオタクだが、コミュニケーションがうまくできずに相手を傷つけてしまい友達がいない。やっとガールフレンドのエリカ(ルーニー・マーラー)ができたというのに、エリカが通っているボストン大学を悪く言い、それがきっかけで、とうとう彼女を怒らせてしまう。

ソーシャル・ネットワーク

「友達ができないのは、あなたの性格のせいよ!」という言葉をたたきつけられたマークは、怒りに満ちて帰った寮で、彼女の悪口をブログに書き込む。そのときあるアイデアが浮かぶ。寮の仲間たちも加わって、ハーバード大学の寮の名簿を利用し、女子学生たちのランク付けをするサイトを立ち上げた。このサイトはたちまち男子学生の間で広がり、大学のサーバーをパンクさせてしまう。男子学生たちには大人気となるが、ガールフレンドのエリカをはじめ女子学生たちを敵にまわすことになる。

ソーシャル・ネットワーク

大学規則に違反したことで大学に呼び出され観察処分となる。そんなことを気にせずコンピュータに向かい続けるマークは、学生たちの間に交流を深めるためのネットワークを立ち上げるためにプログラマーを探していた資産家の息子で双子のウィンクルボス兄弟とその仲間に声をかけられる。一緒にすることを請け負ったマークだが、彼らの知らぬ間に、親友のエドゥアリド・サベリン(アンドリュー・ガーフィールド)とともにフェイスブックを立ち上げる。アイデアはマークだが、それだけではソーシャル・ネットワークサービスを立ち上げることはできない。サーバーを借りる資金は裕福なエドゥアリドが提供してくれた。彼は、マークの唯一の理解者だった。

ソーシャル・ネットワーク

フェイスブックが他の大学に広がり、さらに西海岸の大学まで広がっていく。そんなフェイスブックの広がりに、ナップスターを立ち上げたショーン・パーカー(ジャスティン・ティンバーレイク)が目をつける。ショーンは、カリフォルニアに来るようマークを招く。

そのころから、マークとエドゥアリドの間に意見の衝突がみられるようになる。マークはカルフォルニアに行きスタンフォードに家を借りるが、広告スポンサー探しをするためにニューヨークに残ったエドゥアリドに相談していなかった。エドゥアリドがやっとカリフォルニアのマークのもとに来たときには、会社は大きくなり多くの社員を抱えるオフィスになっていた。CFOの自分を差し置いてショーンと活動しているマークに、エドゥアリドは怒りを爆発させ口座を凍結させてしまう。しかしその行為が、彼を徹底的にフェイスブックから、引き離すことになる。

マークは、アイデアを盗まれたとしてウィンクルボス兄弟から、また共同創業者としての地位を奪われたとしてエドゥアリドから訴えられることになる。

ソーシャル・ネットワーク

 

 

マークとエドゥアリドが始めたのは、大学の寮の小さな部屋からでした。マークはエリカのことを今でも思っています。しかし、なぜエリカがマークから離れていったのか、分からないようです。世界で最年少の億万長者となったマークは、「自分がしたいのは、プログラミングなのだ」と訴えているようでした。

訴訟の審議の場面と、当時という2つの時空を行ったり来たりし、また会話の展開の早さがこの映画の魅力です。それは、ソーシャル・ネットワークサービスが世界にどんどん広がっていく速さを表現しているようです。

映画「BOY A」で、犯罪を犯した少年の繊細な心理を表現したアンドリュー・ガーフィールドが、この作品でもマークとの微妙な関係を演じています。引きつけられる俳優さんです。

アップルを立ち上げたスティーブ・ジョブズ、マイクロソフト社のビルゲイツも、マークのような歩みをしていったのでしょうか? 現代のネットワーク社会を知るために、必見の映画です。


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