home>シスターのお薦め>お薦めシネマ>クリスマスのその夜に

お薦めシネマ

バックナンバー

 クリスマスのその夜に

2011年12月

HJEM TIL JUL

カクリスマスのその夜に

  • 監督・製作・脚本: ベント・ハーメル
  • 原作: レヴィ・ヘンリクセン
  • 音楽:ヨン・エーリク・コーダ
  • 出演:トロン・ファウサ・アウルヴォーグ、
        フリチョフ・ソーハイム、サラ・ビントゥ・サコール、
        モッテン・イルセン・リースネス、
        ライダル・ソーレンセン、イングン・ベアテ・オイエン、
        ニーナ・アンドレセン=ボールド、
        トマス・ノールストロム
  • 配給:ロングライド
  • R15
  • 2010サン・セバスチャン国際映画祭コンペティション部門出品 最優秀脚本賞受賞
  • 2010トロント国際映画祭正式出品
  • 2011リバー・ラン国際映画祭 観客賞受賞

2010年 ノルウェー、ドイツ、スウェーデン映画 1時間25分


クリスマス。キリスト教を信じていない人も、この言葉を聞くと、きっとうれしくなることでしょう。「クリスマス」に、人はいったい何を期待しているのでしょう。5つのお話をとおして、クリスマスの意味がじわじわと伝わってくる、そんな作品です。


物語

母と子がクリスマスツリーのもみの木を持って歩いている。そのふたりを銃で狙っている人がいる。

ノルウェーのある小さな町。通りには、大きな馬小屋が飾られている。今夜はクリスマス・イブだ。

クリスマスというのに、寂しい思いをしているパウル(トロン・ファウサ・アウルヴォーグ)。息子と娘がいるが、妻から追い出されたのだ。クリスマスには、毎年、子どもたちにプレゼントをしていた。医者である友達のクヌート(フリチョフ・ソーハイム)に愚痴をこぼした。今まで住んでいた家をのぞくと、妻が恋人と暮らし始めていた。どうにかしてプレゼントを渡せないだろうか。パウルは、ある作戦に出る。

ビントゥ(サラ・ビントゥ・サコール)は、家がイスラムなのでクリスマスを祝わない。寂しそうなビントゥを見たトマス(モッテン・イルセン・リースネス)は、クリスマスのお祝いをする家族が待っているにもかかわらず、「うちも、サンタを信じていない」とウソを言ってしまう。誘われるままにビントゥの家に行くと、彼女はトマスを屋上に連れて行った。彼女は屋上にある天体望遠鏡で空を見るのがお気に入りだった。その望遠鏡で、トマスは、自分の家の中をのぞいてしまう。

クリスマスのその夜に
BulBul Film as (C) 2010 Pandora Filmproduktion GmbH


パウルを送りだしたクヌートは、家に帰ってきた。しかし妻の口から出るのは、家庭を顧みないクヌートへの不満ばかりだった。そこに電話が入る。クヌートは、妻の冷たい視線を浴びながら車に乗る。指定された場所に着くと、ナイフを持った男が乗り込んできた。指示された郊外の小屋に着くと、そこには陣痛が始まった妊婦がいた。

クリスマスのその夜に
BulBul Film as (C) 2010 Pandora Filmproduktion GmbH


路上で物乞いをしていたヨルダン(ライダル・ソーレンセン)は、故郷へ帰ろうと決心し無賃乗車をする。しかし放り出され雪の中をさまよっていると一台のトラックが見えた。トラックのドアに手を触れると、けたたましい警報が鳴り、隣のトレーラーから女性が飛び出してきた。トレーラーで暮らしているヨハンヌ(イングン・ベアテ・オイエン)は、汚いヨルダンを疑いもせずトレーラーに招き入れ、食事を振る舞う。ヨハンヌはヨルダンに言う。「わたしが分からない?」

クリスマスのその夜に
BulBul Film as (C) 2010 Pandora Filmproduktion GmbH


カリン(ニーナ・アンドレセン=ボールド)は、不倫相手のクリステン(トマス・ノールストロム)と時を過ごしていた。「妻とは別れる」という言葉を信じていたが、イブの夜にクリステンの口から出た言葉は、「子どもがいるから別れることはできない」だった。「ふたりの女性を同時に愛せると思っていた」というクリステンは、別れの言葉を残して妻の元へと帰っていった。しかし、泣き崩れ、怒るカリンではなかった。念入りに化粧しドレスアップしたカリンは、クリステンからプレゼントされた深紅のスカーフを首に巻き、教会へと向かった。

 

見終わって、心が温かくなります。クリスマスにピッタリの作品だと思いました。クリスマスの夜のできごと。それは他人には気づかれないほど小さなものですが、一人ひとりの心に、小さな光、優しい心をもたらしてくれます。わたしたちも、クリスマスの夜に、小さな幸せの光をともしてくれるイエスの訪れに、気づくことができますように。


▲ページのトップへ