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 北のカナリアたち

2012年11月

北のカナリアたち

  • 監督:阪本順治
  • 原作:湊かなえ 『往復書簡』(幻冬舎文庫)
  • 脚本:那須真知子
  • 撮影:木村大作
  • 音楽:川井郁子
  • 出演:吉永小百合、森山未來、満島ひかり、勝地涼、
    宮崎あおい、小池栄子、松田龍平、柴田恭兵、仲村トオル、
    里見浩太朗
  • 配給:東映

2012年 日本映画 2時間2分

  • 東映創立60周年記念作品

東映創立60周年を記念する作品です。10代から日本の映画界の代表スターとして活躍してきた吉永小百合、小さな島の分校の教師として主演し、若手の実力俳優6人が、その教え子の成長した姿で共演します。同じ時、同じ事故を体験しながらも、それぞれが心の奥にしまっていた傷・負い目を、20年後の再会で告白していく過程で、事件の真相が明らかになっていくという、サスペンスタッチの作品で、ぐいぐいと引き込まれていきます。

「辛くても、生きなくてはいけない!」小さな子どもたち一人ひとりの胸の内が明らかになっていく過程で、人間へのいとおしさがあふれ、涙がとまりません。


物語

東京で図書館の司書として働いていた川島はる(吉永小百合)は、定年を迎えていた。最後の仕事を終えて帰宅したところに、警察から連絡が入る。20年前勤務していた北海道の最北の島の分校で教師をしていたときの教え子のひとりが、殺人事件を起こし逃亡していると言うのだ。「連絡はないか」と尋ねる刑事に、はるは「20年間、何の連絡もない」と答える。

「自分を母親のように慕っていた信人(森山未來)が、なぜ人殺しを?」 はるは、真相を知るためにかつての教え子たちを訪ねようと、北海道へと旅立つ。

まず向かったのは、はるとただひとり年賀状のやりとりをしている真奈美(鍋島ひかり)だ。真奈美は夫とともにサロベツ原生花園で働いていた。次に、真奈美から教わり、札幌で貿易会社に勤めている直樹(勝地涼)と出会う。さらに同じ札幌で働いている結花(宮崎あおい)、そして、造船所で働いている七重(小池栄子)、今も島に住み警察官として働いている勇(松田龍平)と、かつての教え子を尋ねる。

北のカナリアたち
(C) 2012『北のカナリアたち』製作委員会


北のカナリアたち
(C) 2012『北のカナリアたち』製作委員会


彼らと出会っていきながら、20年前、はるから教わった歌をとおして、6人の分校の生活が楽しいものに変わったという思い出にひたる。同時に、「わたしが悪いんです」子どもたちはそれぞれ、20年間言えなかった心の傷をはるに告白する。彼らはまた、「あの日、先生は途中でいなくなりましたね。どこに行っていたんですか?」という疑問を抱えていた。

北のカナリアたち
(C) 2012『北のカナリアたち』製作委員会


北のカナリアたち
(C) 2012『北のカナリアたち』製作委員会


はるがいないときに起きたある事故の真相、そしてはるが島を去り、歌えなくなったことへの悲しい思いが明らかになっていく。

 

最北の地、厳しく貧しい生活、そんな中にも、希望を与え心をあたたかくさせてくれるものがあり、人と人とのつながりが強くなることを感じさせてくれる作品です。森山未來、満島ひかり、勝地涼、宮崎あおい、小池栄子、松田龍平という若手実力俳優6人の演技も、この作品を見応えのあるものにしています。阪本監督は「ぜひ子どもたちに見てもらいたい作品だ!」とおっしゃっています。


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